宗印寺 (日野市)

宗印寺について

宗印寺（そういんじ）は、東京都日野市に位置する曹洞宗の寺院であり、その歴史は1599年にまで遡ります。開基は中山照守であり、寺の基となった場所にはかつて無量院という廃寺が存在していました。この場所には聖観世音菩薩像が安置されており、祈りを捧げることで願い事が叶うとされていました。このため、照守はこの観音像を本尊とする寺を創建することに決めました。

中山照守は、その父である中山家範が後北条氏に仕えて八王子城で戦い、功績を残しました。家範が討ち死にした後、徳川家康は家範の忠義を評価し、照守に当地を所領として与えたのです。照守の手によって創建された当寺は、しばらくの間「庵」として存在しており、寺号の公称は許可されていませんでしたが、1633年に一東天樹により寺号公称が認められました。

1884年には、近隣の大福寺が廃寺となり、宗印寺に合併されました。この際、平山季重の墓が移転されました。平山季重は平安時代末期から鎌倉時代初期に活動した武将で、彼の墓は江戸時代にその末裔である平山季長によって建立され、現在も東京都の旧跡に指定されています。

文化財

宗印寺は、その歴史的背景からいくつかの重要な文化財を有しています。主なものとしては、以下の文化財があります。

• - 平山季重墓：東京都指定の旧跡に指定されており、昭和30年3月28日に指定されました。
• - 木造平山季重坐像：日野市の指定有形文化財であり、昭和36年10月1日に指定されたものです。
• - 木造地蔵菩薩坐像及び千躰地蔵（通称日奉地蔵）：こちらも日野市の指定有形文化財で、同じく昭和36年10月1日に指定されています。
• - 木造薬師如来坐像（通称平山薬師）：この像も日野市の指定有形文化財で、昭和36年10月1日に指定されています。

交通アクセス

宗印寺へのアクセスは非常に便利であり、平山城址公園駅からは徒歩5分の距離です。周辺には自然が広がっており、静かな環境での参拝が可能です。

宗印寺は、単なる寺院ではなく、多くの歴史と文化が交錯する場所として、訪れる人々に深い感銘を与えています。さらに、寺院の持つ文化財は地域の誇りでもあり、多くの人々がこの地を訪れる理由の一つとなっています。

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