宗旨替え

宗旨替えとは

宗旨替え（しゅうしがえ）とは、元来、信仰している宗教における宗派、特に仏教において、その内部での宗派を変更することを意味します。また、寺請制度に由来する菩提寺を、別の宗派の寺に変更することも指します。

宗旨替えの背景

宗旨替えは、単に信仰する宗派を変えるだけでなく、転じて、思想・信条・嗜好・趣味などを変える場合にも用いられます。例えば、支持する政党を変えたり、師事する師匠や親方を変更したりする場合も、宗旨替えと表現することがあります。これらの意味においては、「鞍替え」という言葉とほぼ同義で使われます。

改宗との違い

宗旨替えと似た言葉に「改宗」がありますが、これは、仏教からキリスト教へというように、全く異なる宗教へ信仰を変更することを指します。宗旨替えは、あくまで同一宗教内での宗派変更を意味する点で、改宗とは区別されます。

宗旨替えの動機

本来、宗旨替えは個人の信仰や宗教的価値観に基づいて行われるべきものです。例えば、詩人・童話作家の宮沢賢治が浄土真宗から日蓮宗に宗旨替えしたことは、その代表的な例として知られています。

しかし現代では、仕事の都合などで、菩提寺から遠く離れた場所に永住せざるを得ないケースが増えています。このような場合、元の菩提寺を離檀し、新たに檀家を募集している寺に宗旨替えを行う家庭が多く見られます。これは、信仰心だけでなく、現実的な生活環境の変化が、宗旨替えの動機となることを示しています。

宗旨替えの多様な側面

このように、宗旨替えは、個人の内面的な変化から、外的な環境変化まで、さまざまな要因によって行われます。信仰や思想の変化、生活環境の変化、これらの複合的な要因が、宗旨替えという行為に繋がると言えるでしょう。

宗旨替えの例

仏教の宗派間での変更（例：浄土真宗から日蓮宗へ）
菩提寺の変更
支持政党の変更
師匠や親方の変更
趣味や嗜好の変更

脚注

Turncoat：イギリス内戦におけるコーフ城攻城戦で、議会派がコートを裏返して王党派の城に潜入した故事から、宗旨替えを意味する慣用句として用いられる。

関連項目

改宗
鞍替え
* Turncoat

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