官房三課

官房三課とは

官房三課とは、各省庁の大臣官房に置かれる「人事」「総務」「会計」を担当する3つの課をまとめた通称です。これは特定の部署名ではなく、あくまでも3つの課を指す総称として用いられます。

概要

省庁が政策を遂行する上で、「ヒト」「情報・他省庁対策」「カネ」の3要素は非常に重要であり、これらが欠けると政策の円滑な実行は困難になります。

そのため、各省庁では大臣官房の人事課（秘書課）、総務課（文書課）、会計課（予算課）の3課を「官房三課」と呼び、特に重要視しています。これらの課の責任者である課長は「官房三課長」と呼ばれ、将来の事務次官候補など、キャリア官僚の中でも特に優秀な人材が任命される傾向にあります。

職務

官房三課は、それぞれ以下のような職務を担当しています。

人事課（秘書課）：職員の人事、労務、給与に関する業務を行います。職員の採用、配置、昇進、退職など、組織運営の根幹を担います。
総務課（文書課）：国会対策、公文書の管理、機密に関する業務を行います。省庁内の情報管理や対外的な折衝など、多岐にわたる業務を担当します。文書課や企画課がこれらの業務を行う場合もあります。
会計課（予算課）：予算に関する業務を行います。省庁の活動に必要な予算の編成、執行、管理などを担当します。名称は省庁によって異なり、農林水産省の大臣官房では予算課、宮内庁の長官官房では主計課と呼ばれます。金融庁では、総合政策局秘書課内に予算に関する業務を行う管理室が設置されています。

これらの3つの課は、省庁の運営において不可欠な役割を果たしており、官房三課長は省庁の意思決定において重要な役割を担います。

その他

財務省（旧大蔵省）の場合は、文書課（総務）、秘書課（人事）に加え、総括審議官を支える総合政策課（旧調査企画課）が官房三課とみなされる場合があります。これは、財務省が他省庁の予算を査定する立場にあるため、他省庁における会計課（予算課）の重要度とは異なり、財務省内では予算編成よりも政策立案を担う部署が重視されるためです。

脚注

官房三課は、各省庁の組織運営において非常に重要な役割を担っている。
官房三課長には、将来の幹部候補となる優秀な人材が任命されることが多い。
財務省では、予算査定を行う立場から、会計課よりも政策立案を担当する部署が重要視される。

関連項目

* 大臣官房

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