定価

定価（ていか）とは

定価とは、商品やサービスに対して、事前に決定された価格を指します。これは、売り手があらかじめ設定し、買い手に提示する価格であり、多くの場合、変更されることなく取引されます。

定価販売の歴史

世界で初めて一般消費者向けに定価販売を導入したのは、江戸時代の豪商、三井高利が開いた越後屋（現在の三越）であると言われています。それまでの掛け売りや、顧客ごとの価格交渉が一般的だった時代に、明朗会計を打ち出した越後屋の定価販売は、画期的なものでした。

日本における定価

日本では、書籍、雑誌、新聞、音楽、タバコなど、一部の商品については再販売価格維持制度が認められています。これは、メーカーや出版社が小売価格を指定し、小売店がその価格で販売することを義務付ける制度です。この制度の目的は、文化の多様性を維持し、消費者の利益を保護することとされています。

また、電気自動車（プラグインハイブリッド車を含む）においては、補助金制度との関係で、事実上定価販売が行われることがあります。値引き販売を行うと補助金が減額されるため、販売店は定価での販売を推奨する傾向があります。

希望小売価格・参考価格

かつては、メーカーの代理店である小売店では「定価」での販売が一般的でしたが、再販価格維持制度による拘束小売価格との混同を避けるため、「希望小売価格」や「参考価格」という表現に置き換えられるようになりました。

公正取引委員会は、「流通・取引慣行に関する独占禁止法上の指針」において、「独占禁止法上、『定価』あるいはこれに類似する拘束的な表現を行わないことが望ましい」としています。

定価と関連する価格設定

定価以外にも、様々な価格設定が存在します。

時価: 相場や需給によって価格が変動する。
オープン[[価格]]: メーカーが小売価格を設定せず、小売店が自由に価格を決める。
参考小売価格: メーカーが小売店に対して参考となる価格を示す。
希望小売価格: メーカーが小売店に対して、販売を希望する価格を示す。
再販売価格維持: メーカーが小売店に対して、指定した価格での販売を義務付ける。
価格統制: 政府が価格を制限または管理する。

定価は、価格設定の一つの形であり、商品の種類や販売戦略によって、様々な形で活用されています。

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