定吉七番

『定吉七番』の世界

『定吉七番』（さだきちセブン）は、著者・東郷隆が創り出したユーモアに満ちたスパイアクションコメディー小説のシリーズです。この作品は、世界的に有名なスパイ小説および映画『007』シリーズに触発されたパロディとして、多くの読者に楽しまれています。また、PCエンジン向けにゲーム化された『定吉七番 秀吉の黄金』もあります。以下に作品の内容と主要なキャラクターたちを紹介します。

あらすじ

主人公である定吉七番、実名安井友和は大阪商工会議所秘密会所に所属しています。彼は情報部員兼殺し屋として、「殺人許可証を持つ丁稚」という特異な役割を担います。彼の任務は、関西経済を脅かす悪の結社を相手に戦うことで、源は彼が呼び出された元締めである千成屋宗右衛門からの命令によるものです。彼は唐桟の作業服を着こなして包丁「富士見西行」を持ち、戦いの準備を整えます。

主人公・定吉七番

安井友和のキャラクターは非常にユニークです。身長180cmで体重72kgの持ち主で、普段は大阪市の寮に住んでいます。彼は暗殺者として卓越した能力を持ち、その名で呼ばれている定吉七番として200人以上を排除したことがあります。彼の社会的な肩書きは、丼池繊維振興会事務局連絡二課渉外係長補佐見習いです。しかし、真の仕事はスパイ活動であり、必要なときには実際に丁稚として働くのです。

定吉の外見は、唐桟の服装、刈り上げた髪型とハンチング帽という典型的な姿が印象的です。また、腕の冴えは、「岩園流小具足組打ち術」と「生間流の免状」を持つことに裏打ちされています。武器として携帯している包丁は、そのシャープさだけでなく、彼にとってはデリバリーとサバイバル技術を象徴しています。

大阪商工会議所秘密会所

この影の組織は関西の財界人たちの利権を守るため、非合法な手段をも使うことを厭いません。略称はOCCI（THE OSAKA CHAMBER OF COMMERCE AND INDUSTRY）で、本部は大阪市内に位置しています。内部では、情報部員にさまざまなコードネームが与えられ、その中でも「定吉」という名は最高位の情報部員に与えられる称号です。

登場人物

定吉七番の周囲には、彼の活動を支える様々なキャラクターがいます。元締めの千成屋宗右衛門は冷徹な指導者で、定吉にとっては重要な存在です。兵器主任の九作や、厳しい教育を施す上司の雁之助も登場します。また、金子さんという有能な秘書が定吉に迫ってくる場面は、微妙な人間関係を描き出しています。

一方、彼が対立する組織「NATTO」は、関西文化を否定する汎関東主義の秘密結社で、様々な形で暗躍しています。こうしたキャラクターたちの個性が物語に厚みを与えています。

ゲーム化について

1988年にリリースされたPCエンジン用ソフト『定吉七番 秀吉の黄金』は、本シリーズの魅力をゲームとして体験できる機会を提供しています。ユーモアと関西の文化を巧みに融合させたこのゲームは、遊び心満載のストーリーとキャラクターを引き立てています。

このように『定吉七番』は、スパイ小説やアクションコメディーが交じり合った独特の世界観を持つ作品です。そのシニカルでユーモラスな物語と共に、多くのファンに愛され続けています。

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