定員割れ

定員割れとは

定員割れ（ていいんわれ）とは、定められた人数に満たない状況を示す言葉で、特に教育機関や団体で用いられます。この状態は、募集人数に対して実際に集まった人数が不足していることを意味し、欠員（けついん）とも呼ばれています。定員割れは日本の学校制度において深刻な問題となっており、特に少子化の影響を強く受けています。

日本の教育機関における定員割れ

近年、日本では少子化が進行し、その結果として多くの学校で定員割れが発生しています。大学や短期大学、高等学校などでは新入生に対する通常の入試で定員を満たさない場合、2次募集や3次募集を行うことが一般的になっています。これは、生徒の数が減少している状況を考慮した施策です。

高等学校の定員割れ

2021年の調査によれば、全国の公立高校の約43％にあたる1400校が、入学者数が募集人数を下回る定員割れの状況に直面しています。特に、北海道や福島県のような一部の地域では、高校の半数以上が定員割れとなっています。また、東京都の都立日比谷高校は2019年に入学者数が定員に届かず、2次募集を実施し大きな関心を集めました。

大学と短期大学の定員割れ

さらに、私立大学の定員割れも深刻な問題です。2000年代からこの傾向は顕著になり、特に2007年度には私立短期大学の定員割れ率が6割を超えました。また、地方の国立大学でも欠員を補充するために毎年2次募集が行われています。なお、定員割れについてはその定義が曖昧であり、定員充足率が100％を下回る状態が大学運営にどの程度影響を及ぼすのかは一様ではありません。

文部科学省は私立大学に対して、入学定員充足率が95％以上の学部には経常費補助金を増加するという指針を示しています。このように、私立大学の場合、90％以上の充足率が求められることから、定員割れが直接的に経営難に結びつくわけではないことがわかります。

定員充足率の推移

2014年には、入学定員充足率が80％未満の大学が122校に達しましたが、以降は徐々にその数は減少し、2019年には51校まで減少しました。また、入学定員充足率が100％未満の学校の現状は、特に短期大学において顕著であり、多くの分野でその割合が増加しています。私立大学における定員割れ校は2018年度には210校となり、全体の36.1％を占める結果となりました。

海外における定員割れの状況

海外でも定員割れは広がっており、例えば台湾では国立大学においても定員割れが見られます。中華人民共和国でも過酷な受験競争が続いており、最近ではさまざまな学部で定員割れが発生しています。これは不人気な専門分野を選ぶ受験生が増えていることが影響していると考えられます。

結論

定員割れは日本の教育機関だけでなく、海外の大学でも問題となっている現象です。少子化という大きな流れの中で、教育機関は今後の戦略を再考し、生徒募集に取り組む必要があります。

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