定期借地権

定期借地権の概要

定期借地権とは、1992年8月に施行された借地借家法に規定される借地権の一形式です。通常の借地権と異なり、定期借地権は設定された契約期間が満了すると、それ以降の更新は行われません。この権利は、従来の借地契約における借地権者の優位性を緩和し、地主にとっても利便性を高める目的で導入されました。

通常の借地権との違い

通常の借地権では、契約期間が満了した際に法定更新が認められ、地主からの更新拒絶にも制約があります。しかし、定期借地権では約束された期間が過ぎると契約が終了し、更新を拒否することはできません。この特徴により、地主にとっては契約更新の負担が軽減され、再開発や土地利用の見通しが良くなります。

また、定期借地権を設定する際には、特定の契約条件を盛り込むことが認められています。例えば、権利の設定時に契約の更新を無効とする特約を追加したり、建物の買取請求権を認めない規定を設けることが可能です。しかし、このような特約は書面に明記する必要があります。「借地借家法」第22条に則って、これらの特約が付された借地権が定期借地権と呼ばれます。

事業用定期借地権

特に事業の用途に供する建物を目的とした借地権については、事業用定期借地権が設けられています。この権利には、二つの設定期間があり、30年以上50年未満の存続期間で設定する場合と、より短い10年以上30年未満の場合に分かれます。

1. 30年以上50年未満：通常の定期借地権と同様の特約を定められる。
2. 10年以上30年未満：特約なしでも、通常の借地権規定は適用されない。

これらの契約は、必ず公正証書の形で結ばれなければなりません。

建物譲渡特約付借地権

建物譲渡特約付借地権は、設定から30年が経過した際に借地上の建物が借地権設定者に買い取られる特約を定めることができます。この特約により、借地権が消滅する際には、建物の継続使用者が新たに賃貸借契約を締結したと見なされる便宜があります。

定期借地権付マンション - つくば方式

「つくば方式」とは、スケルトン定借に基づいて分譲されるマンションを指します。つくば市の旧建設省建築研究所により開発されたこのモデルは、マンション購入者全員で借地契約を結び、通常は50年の期間で借地することが一般的です。

購入者は最初、マンション建物を所有しますが、借地から30年経過すると、地主は構造躯体を買取る権利を有します。これにより、借地契約が終了し、希望する旧購入者には賃貸契約が提供される流れとなります。

関連項目

• - 地上権
• - 民法 (日本)

外部リンク

• - 国土交通省の定期借地権の解説

このように、定期借地権は現在の不動産業界において重要な役割を果たしており、地主と借地権者の双方のニーズに応えるための制度として機能しています。

もう一度検索