定額制夫の「こづかい万歳」〜月額2万千円の金欠ライフ〜

『定額制夫の「こづかい万歳」〜月額2万千円の金欠ライフ〜』は、漫画家・吉本浩二が『モーニング』（講談社）で月1ペースで連載している作品です。2018年に掲載された読み切り作品が好評を博し、連載化されました。この作品は、作者自身やその周りの人々が、限られた小遣いをどのようにやりくりして生活しているのかを、ドキュメンタリータッチで描いています。

作品の特徴

この漫画の最大の特徴は、小遣い制という制約の中で、登場人物たちが創意工夫を凝らして生活を楽しんでいる点です。作者の吉本自身も月額2万1000円という限られた小遣いで生活しており、そのリアルな日常が描かれています。また、吉本の周りの人々も、それぞれ独自の節約術や趣味を持っており、その多様なライフスタイルが読者の共感を呼んでいます。

編集部では、小遣いをユニークな方法で活用する人々を「こづかい超人」と名付け、敬意と揶揄を込めて紹介しています。連載が軌道に乗ってからは、読者からの応募も増え、吉本が直接インタビューを行う回も設けられています。

各回の冒頭では、吉本がインタビュー対象者に小遣い制かどうかを尋ね、相手が「申し遅れました。毎月●●円です」と答えるのがお約束の展開となっています。

登場人物

吉本浩二: 主人公であり、作者本人。月額2万1000円の小遣いでやりくりする漫画家。
吉本の妻: 月額7000円の小遣いで、晩酌を楽しみにしている倹約家。
筒木剛: 妻のママ友の夫。月額2万円の小遣いを節約し、晩酌を楽しんでいる。
工藤静男: 近隣住民。月額2万円の小遣いで、Pontaポイントを貯めるのが趣味。
佐野修司: 通りすがりのバイカー。月額2万5000円の小遣いで、月に一度のツーリングを楽しみにしている。
村上久美子／村上誠: 夫婦で月額2万4000円の小遣いを分け合い、節約額を競い合っている。
村田克彦: 吉本の同級生。月額1万5000円の小遣いを自主的に減らし、駅構内での飲酒を「ステーション・バー」と称して楽しんでいる。
山崎あみ: 吉本の妻の同級生。小遣い額は不明だが、果実酒作りを趣味とし、夫と居酒屋ごっこを楽しんでいる。
谷健: 静男の後輩。小遣い0円で、お菓子作りや市民プールを楽しんでいる。
真田一郎: 地元民。月額5万円の小遣いで、野草採取や家庭菜園を楽しんでいる。
石井力: 出版社の編集者。月額3万7000円の小遣いで、車を書斎代わりにして趣味を楽しんでいる。
すみれちゃんのパパ: フリーランスのシステムエンジニア。月額2万3000～2万4000円の小遣いで、カフェでモーニングセットを昼食にしている。
沢田みゆき: 妻の元バイト先の先輩。月額3万円の小遣いで、イオンカードを駆使している。
沢田龍三: みゆきの夫。月額3万円の小遣いで、料理、映画、漫画を楽しんでいる。
成瀬広太郎: 予備校の数学講師。月額2万円の小遣いで、コンビニのお菓子を楽しんでいる。
森山拓也: 吉本の旧友。月額2万1000円の小遣いで、美味しいランチを食べるためのトレーニングを日課にしている。
岩倉誠: 近隣住民。月額2万8000円の小遣いで、ダイソーの商品を使ったパーティーを楽しんでいる。
町田宏: 担当の友人。月額2万円の小遣いで、原チャリでの観光を楽しんでいる。
先崎ゆかり: 妻のママ友。月額1万5000円の小遣いで、ママ友との飲み会を楽しんでいる。
先崎幸信: ゆかりの夫。月額3万円の小遣いで、妻と共にサイゼリヤのテイクアウトでオンライン飲み会を楽しんでいる。

書誌情報

吉本浩二『定額制夫の「こづかい万歳」〜月額2万千円の金欠ライフ〜』講談社〈モーニングKC〉、既刊8巻（2024年11月21日現在）

評価

節約の様子をリアルに描いていることで「共感できる」という感想がある一方、その世知辛さからデストピア的で怖いという声もあります。堀江貴文は、この漫画を「お金を使わなくていい未曾有の時代を楽しむ一つの回答」と評価しています。

外部リンク

定額制夫の「こづかい万歳」～月額2万千円の金欠ライフ～ - コミックDAYS
定額制夫の「こづかい万歳」公式💸 (@kodukaibanzai) - X（旧Twitter）

もう一度検索