宝教寺

宝教寺：歴史と文化が織りなす静寂の空間

兵庫県宝塚市切畑長尾山に佇む宝教寺は、真言宗に属する寺院です。1940年（昭和15年）、韓国から日本へ渡来した李小善氏によって開創されました。本尊として、釈迦如来、不動明王、そして弘法大師の三尊が祀られています。

李小善氏は、夫と共に大阪で暮らしていた最中、出産を機に病に臥せります。その治療のため、宝塚の最明寺滝へと通ううちに、この地に深く魅せられ、真言宗の寺院として宝教寺を創建したと伝えられています。

一般的な真言宗寺院とは異なる点もいくつか見られます。まず、宗教法人ではないという点です。また、本尊として三尊を祀るという独特の様式も特徴的です。さらに、年中行事にも韓国文化の影響が色濃く表れています。7月7日には「星祭り」、9月9日には無縁仏を弔う「クゥオル・クゥイル」といった、他では見られない独特の行事が行われています。

境内には「七星堂」と呼ばれる建物があります。これは朝鮮系の寺院に多く見られる特徴的な建物で、星神を主神として、山神や海神など様々な神々が祀られています。七星堂の存在は、宝教寺の創建者である李小善氏のルーツと、寺院が持つ多様な信仰の姿を象徴的に物語っています。

宝教寺は、静寂な山間に位置し、都会の喧騒を忘れさせてくれる癒やしの空間です。歴史と文化が深く根付いたこの寺院は、訪れる人々に静かな安らぎと、異文化交流の歴史を感じさせてくれます。

アクセスは、阪急宝塚線「山本駅」より徒歩約15分です。緑豊かな自然に囲まれた道を歩み、静寂な境内へと足を踏み入れると、そこには独特の雰囲気と歴史が息づいています。都会の喧騒を離れ、心静かに過ごしたい方におすすめの場所です。 創建者の信仰、そして韓国文化とのつながりを肌で感じることができる、貴重な寺院と言えるでしょう。 静かな山間の寺院で、ゆっくりと時間を過ごしてみてはいかがでしょうか。

交通アクセス

* 阪急宝塚線「山本駅」より徒歩約15分

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