宝生和英

宝生 和英（ほうしょう かずふさ）について

宝生和英は、1986年生まれの能楽師で、シテ方宝生流の第二十代宗家として知られています。彼は、宝生会の常務理事を務めるほか、石川県能楽文化協会の名誉顧問、裏千家淡交会東京第一東支部の支部顧問としても活動を行っています。これらの役職を通じて、能楽の普及と発展に寄与しています。

彼は宝生英照の長男で、5歳の時には初舞台「西王母」の子方として登場しました。その後、9歳で「岩船」にて初めてシテを務めました。若い頃から、先代の宗家や著名な能楽師からの指導を受けており、彼の技術と理解を深めてきました。2008年には、家業を継ぎ宗家の座につき、以後、伝統的な公演を中心に多数の作品を披露してきました。

シテ方宝生流の曲目には、「鷺」「乱」「石橋」「道成寺」、さらには「翁」など、多くの名作が含まれています。また、一子相伝の特別な曲でもある「弱法師 双調之舞」「安宅 延年之舞」「朝長 懺法」を演じ、伝統的なスタイルに加え現代的なアプローチも取り入れています。

公演活動以外にも、マネジメント業務にも従事し、国内外での文化交流にも積極的です。彼は特にイタリアや香港において多くの文化イベントに参加しており、その存在感は国際的にも広がっています。

主な公演活動

宝生和英はさまざまな公演に出演しており、その中でも以下のようなイベントが挙げられます。

• - 宝生会月浪能: 明治時代から続く、宝生流の月例能。
• - 宝生会月浪能特別会: 年に2回の特別な演能会。
• - 金沢能楽会や名古屋宝生会など、各地での能楽会にも参加。

また、海外での公演も多数行われており、2015年にはミラノ国際博覧会で「高砂」を披露。2016年にはミラノ・トリエンナーレで「乱」を演じるなど、国際的な舞台でも注目されました。2017年にはバチカンで「復活のキリスト」を演じ、香港大学での公演も実施しました。さらに、2022年には日本とUAEの国交50周年記念公演や、日本とオマーンの国交50周年記念公演も行い、各国との文化交流を推進しています。

栄誉

彼の努力と活動は、業界内外から高く評価されています。2008年には東京藝術大学アカンサス音楽賞を受賞し、2019年には松尾芸能賞新人賞を手にしました。これらの受賞歴は、彼の技術と芸術性を証明するものです。

宝生和英は、伝統を重んじながらも、革新を追求し続ける能楽師として、今後の活動に対する期待が高まります。能楽の魅力をあらゆる形で伝え続け、国際的な舞台でそのスタイルを広めていくことが彼の大きな目標です。

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