宝田明

宝田 明（たからだ あきら）

宝田明は、1934年に誕生し2022年に逝去した、日本の映画俳優、タレント、声優、司会者として知られる著名な芸能人です。彼は、特に特撮映画やミュージカルにおいて特異な存在感を放ち、多くのファンに愛されてきました。

来歴

彼の家族は、日本の技術者や海軍武官に由来しており、父が南満洲鉄道に勤務していたことから、幼少期に満洲へ移住しました。終戦後、博多を経て本籍地である新潟県村上に戻り、寺の四畳半で生活をしながら国民学校に通います。1953年には、東京都立豊島高等学校を卒業した後、東宝に入社。映画『かくて自由の鐘は鳴る』で俳優デビューを果たし、その翌年には特撮映画『ゴジラ』で初主演を務めました。この作品は彼のキャリアを一躍牽引し、長身や美形の外見で二枚目俳優として東宝映画のトップスターの地位を確立しました。

家族と私生活

宝田は1959年、日本人初のミス・ユニバースに輝いた児島明子と結婚し、2男1女をもうけましたが1984年に離婚。その後、長女児島未散は歌手・女優として活躍します。彼の私生活は、多彩な活動に加え、家族との絆が深く、また結婚や離婚も彼の人生の重要な節目となりました。

映画界での活躍

1960年代に入ると、宝田は東宝と香港のキャセイ・フィルムとの合作映画にも出演し、特に香港や台湾といったアジア市場で広く認知されることとなります。特撮映画も続々と登場し、彼は『モスラ対ゴジラ』やその後のゴジラシリーズに多く出演しました。映画『100発100中』ではフランス語のセリフをこなすなど、彼の演技力は多面的です。また、ミュージカル俳優としても活動し、1980年には日本初のミュージカル俳優養成学校「宝田芸術学園」を設立。しかし、数年後には閉校となります。

テレビとバラエティ

俳優としての活動に加え、宝田は芸人としても活動し、特に1990年代には「サラリーマンNEO」などバラエティ番組にも出演して多くのファンに愛されました。彼の登場は常に華やかで、俳優だけでなく司会者としても多才さを発揮しました。

政治活動と晩年

2016年に政治団体から参議院選挙の比例区候補に立候補しようとしましたが、最終的に辞退。彼は晩年、健康を害し、入退院を繰り返しましたが、2022年には映画『世の中にたえて桜のなかりせば』の舞台挨拶に登場し、遺作となったその作品の公開を見届けました。彼の死は、87歳で訪れ、訃報は所属事務所から発表されました。

人物像と遺産

宝田明は、その人柄や豊かな表現力により、映画界だけでなくバラエティ、舞台など多岐にわたる活動を展開しました。晩年まで多くのファンに愛され続けた彼の足跡は、日本のエンターテインメント史において重要な位置を占めています。

彼の影響を受けた多くの後輩たちやファンは、その功績を記憶し続け、宝田明の名はこれからも語り継がれることでしょう。

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