宝翰類聚

宝翰類聚（ほうかんるいじゅ）について

概要

宝翰類聚は、盛岡藩における最古の古文書であり、盛岡南部家やその家族、家臣、さらには寺院などから伝わった歴史的記録や由緒を集成したものです。この文書は、寛保元年（1741年）に盛岡藩の第8代藩主である南部利視の命を受けて収集されました。各藩士が持つ伝承や古い記録が提出される中で、盛岡藩士である伊藤祐清と円子記精親がその内容をまとめました。

この宝翰類聚は、初代藩主信直と2代藩主利直の二代にわたる古文書を中心に構成されており、乾巻と坤巻の2つの巻物に分かれています。その収録内容は非常に豊富であり、合計175通の文書が読み取ることができ、さらには盛岡南部家当主の詠歌が40首も収められています。

現存状況

原本は現在確認されておらず、江戸時代に作成された写本が存在しています。この写本は、岩手県立図書館の新渡戸文書に収蔵されています。この写本は、近世の盛岡藩の政治や文化、さらには家族のつながりを理解する上で非常に重要な資料となっています。

歴史的重要性

宝翰類聚は、盛岡藩の歴史を知る上で欠かせない資料です。特に、南部氏に関する情報が豊富に含まれているため、地域の歴史的な背景や文化、社会構造などを探る手がかりとなります。また、この文書によって、藩士たちの生活や思想、詠歌を通じた精神性も窺い知ることができます。

参考文献

さらなる詳細情報を求める場合、青森県史編さん中世部会が編集した『青森県史 資料編 中世 1 南部氏関係資料』（青森県、2004年3月31日）も有益です。この資料は、南部氏に関連する様々な史料をまとめており、宝翰類聚の理解を深めるうえでの補助的な資料として機能します。

外部リンク

宝翰類聚に関連する資料や情報を得るには、岩手県立図書館のサイトを訪れることができます。また、近世こもんじょ館のウェブサイトでもこの文書の解題や詳しい情報が提供されています。これにより、より広範な視点から盛岡藩の歴史や文化について学ぶことが可能です。

宝翰類聚は単なる古文書にとどまらず、盛岡藩の歴史的背景を知る貴重な遺産として、今も多くの人々に研究され続けています。

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