実入バイパス

実入バイパスの概要

実入バイパス（みいりバイパス）は、千葉県鴨川市に位置する国道128号のバイパス道路です。この道路は、地域交通の円滑化と安全性の向上を目指して整備され、2019年10月25日に正式に開通しました。

バイパスの計画

実入バイパスは、既存の旧国道である実入トンネルの北側に新設された迂回路です。この構想は、天津バイパスの終点から始まり、小湊方面へと向かう形で計画されました。バイパスの主な目的は、老朽化したトンネルの安全性を高め、通行の利便性を確保することにあります。

基本情報

要目

• - 起点: 鴨川市天津（天津バイパス終点付近）
• - 終点: 鴨川市内浦（県民の森公園入り口交差点付近）
• - 全長: 0.9 km
• - 構造物: 新実入トンネル（688 m）
• - 車線数: 2車線

計画に至る背景

実入バイパスの計画がなぜ必要であったのか、その理由はいくつかあります。まず、現行の実入トンネルは、供用から約50年が経過し、著しい老朽化が問題視されていました。さらに、トンネル内部は幅が狭く、急カーブが連続しており、大型車両が離合する際には非常に困難な状況でした。

加えて、2003年と2004年の2年間には、大雨による土砂災害が発生し、その影響で交通が完全に遮断される事態が続きました。このように、国道128号は外房地域の重要な基幹道路であり、特に鴨川市内にある高度医療施設へのアクセス道としても重要な役割を担っています。このため、災害時には緊急輸送道路ネットワーク（一次路線）にも指定されていました。

こうした背景を受けて、地元の市や市議会、観光協会などが国土交通省に建設を求める声を上げた結果、実入バイパスプロジェクトが実現しました。事業は2009年度から2018年度までの約10年間にわたり進められ、総工費は27億円にのぼりました。

補足情報

旧実入トンネルには、歩道トンネルがあり、これはトンネル水族館としても多くの人に親しまれています。また、実入バイパス建設に関わる重要なマイルストーンもありました。2016年12月には着工し、2017年10月にはトンネルが貫通、さらに2018年3月には主なトンネル掘削工事が無事に完了しました。

これにより、実入バイパスが開通したことで、地域交通の安全性と利便性が大いに向上し、多くのドライバーにとって利用しやすい路線となっています。

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