実況パワフルプロ野球10

実況パワフルプロ野球10（パワプロ10）

『実況パワフルプロ野球10』は、2003年7月17日にコナミ（現:コナミデジタルエンタテインメント）から発売された人気野球ゲームシリーズの一作です。PlayStation 2（PS2）版は、シリーズで初めてDVD-ROMを採用したことが特徴です。同年12月18日には、データや要素を追加した『実況パワフルプロ野球10超決定版 2003メモリアル』も発売されました。

ゲーム概要

対戦

『実況パワフルプロ野球2001』で導入された一軍・二軍入れ替え機能がナンバリング作品で初めて搭載され、より戦略的なチーム編成が可能になりました。アレンジモードを使わずに、二軍登録されている選手を対戦モードで使用できるようになった点も大きな変更点です。

データ関連

データの消去や移動が可能で、ゲームキューブ（GC）版では『パワプロクンポケット5』（超決定版では『パワプロクンポケット6』）の選手パスワードも使用できます。サクセス選手の情報表示が拡張され、選手の誕生日やプロ入りからの年数などを確認できるようになりました。

『10』のみ、オンラインサービスを利用してオリジナル選手を獲得できましたが、このサービスは既に終了しています。『10超決定版』では、サクセスモードで作成した選手の成績を自由に設定できるようになりました。

シナリオ

シナリオモードをクリアすると、その球団の隠し選手が使用可能になり、全球団クリアすると球場が追加されます。さらに、全球団を完全クリアすると、ホームラン競争で手に入る選手も使用可能になります。

リーグ戦

過去のシリーズと同様の形式で、ペナントレースを戦います。

対決! 伝説選手

プロ野球のOB選手たちと対戦するモードです。プレイヤーは、現役選手、サクセスモードで作成したオリジナル選手、ホームラン競争やシナリオで入手した選手を使用できます。OB選手は使用できません。

「投手に挑戦」では3打席、「野手に挑戦」では1打席勝負で、勝利条件を満たすと、そのOB選手をアレンジモードで使用できるようになります。今作では、ホームラン競争やシナリオの完全クリアではOB選手を獲得できないため、このモードが重要になります。

対戦相手は、活躍した時代ごとに投手・野手それぞれ4つのグループに分けられています。セーブポイントが設けられており、敗北してもそこから再開できます。

アレンジ

サクセスモードで育成したキャラクターや、実在選手・OB選手などを加えてチームを作成できます。オリジナルチームの作成も可能になり、ユニフォームやチーム名、本拠地球場などを自由に選択できます。ただし、ペナントモードには参加できないなどの制限があります。

実在球団をベースにしたチームで、外国人枠を超える人数を一軍登録しようとすると警告メッセージが表示されます。

ホームラン競争

10球のうちにどれだけホームランを打てるかを競います。10球全てホームランだった場合は、連続記録が途切れるまでプレイを続けられます。結果表示画面に表示されるパスワードをコナミ公式サイトに送信することで、オンラインリーグ戦に参加できました（現在はサービス終了）。

一定のホームラン数を打つと、過去のパワプロ・パワポケシリーズに登場した選手が登場し、アレンジチームに登録できるようになります。

サウンド

前作『実況パワフルプロ野球9』と同様のものが使用されています。

主題歌

『Catch Up Dream!』

歌・作詞：ASACO 作曲：広野智章、佐藤直之

アニメーション製作：京都アニメーション

パワフルズの優勝決定戦の内容が描かれています。

ロード画面

ロード画面では、パワプロ君が光ディスクを叩いて回すアニメーションが表示されます。稀に、パワプロ君が玉乗り風にCDに乗って追いかけるパターンもあります。

ペナント&マイライフ

マイライフモードが今作から初登場しました。

マイライフ

マイライフモードでは、2004年に日本ハムファイターズが本拠地を札幌ドームに移転するイベントが発生します。ペナントモードでも札幌ドームを中心とした日程が組まれますが、球団名・球団旗・ユニフォームなどは2003年度のままです。

ペナント

パワプロ9からの変更点として、FA交渉時に起用法や複数年契約、コーチ転身保証などの条件を提示できるようになり、交渉を有利に進めることができます。また、FA宣言人数と交渉人数が増加し、残留交渉も可能になりました。

契約条件をつけた場合、契約期間中は条件に反する起用や解雇・トレードが制限されます。コーチ転身保証をつけた場合は、契約満了後もコーチに転身させないと引退させられません。

自由契約選手のテスト入団は廃止されました。

選手の怪我に、欠場を伴わないものが追加されました。この状態になると、選手パラメータに×印が付き、本来の能力を発揮できなくなります。放置すると大怪我につながる可能性があります。通常の故障と同様に、二軍でリハビリを行うことで回復できます。

外国人枠が初めて導入され、一軍登録は最大4人までとなりました（野手4人・投手4人の組み合わせは不可）。新外国人選手の発掘にも外国人枠が適用されます。これらの設定はオプションで変更可能です。

新外国人発掘で獲得した選手の能力が、一部白文字で表示される場合があります。これは本来の能力値と異なる表示で、試合に出場させることで真の能力が判明します。

新人選手の発掘方法は、リストアップされた選手を調査する方式に変更されました。チェックをつけた選手は、その球団に入団しやすくなります。新人選手の能力は、イベントによって変動することがあります。

コーチの指導力が、アルファベットから星の数（5段階）で表示されるようになりました。投手コーチには伝授できる変化球が設定され、春季キャンプで伝授できるようになりました。選手には成長タイプが設定され、練習効果に差が出るようになりました。

ドラフト会議にサクセスモードで作成した選手が登場しなくなった代わりに、サクセス選手を好きな時期に入団させることが可能になりました。この際、入れ替える前の選手の成績を引き継ぐこともできます。

マイライフ

一人の新人野球選手としてペナントレースを戦い、入団から引退までの選手生活を体験できるモードです。

マイライフ用選手か、サクセスで作成したオリジナル選手を選択できます。今作では、実在選手でのプレイはできません。

マイライフ用選手の場合、ドラフト指名順位やポジション、長所などを設定して選手を作成します。

試合でホームランを打つなどの条件を達成すると賞品を獲得できますが、使い道はなく、コレクション要素として楽しめます。

システムとしては、練習指示と試合消化が中心で、後のシリーズに登場する趣味やチームメイトとの交流要素はありません。超決定版では、ファンの人数などの要素が追加されました。

サクセス

3年以内に活躍できなければクビと宣告された主人公を操作し、プロ野球選手として成功を目指すモードです。『7』の正式な続編であり、時間軸は猪狩・早川の高卒4年目から6年目までとなります。舞台は、オリジナル4チームを含む16チームで構成された日本プロ野球です。

詳細は実況パワフルプロ野球 サクセスモードを参照ください。

複数のエンディングが用意されており、最終契約更改で二軍にいるとほぼ確実にクビになります。そのため、最終的には一軍に昇格する必要があります。

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