実相寺 (富士市)

実相寺の概要

実相寺（じっそうじ）は静岡県富士市岩本に位置する、日蓮宗の本山であり、霊蹟寺院として長い歴史を持つ場所です。山号は岩本山で、様々な観光名所としても知られています。

歴史的背景

実相寺は1145年に鳥羽法皇の勅命によって、天台宗の智印法印の手によって建立されました。この寺院は初めて日蓮が訪れた場所でもあり、彼は経蔵に入り、一切経を閲読したとされています。その際、彼は「立正安国論」を著しており、これが後に多くの教徒に影響を与えました。

また、1276年に智海法印が日蓮宗に改宗し、彼自身が日源と改名したことが実相寺の重要な歴史の一部となっています。しかし、1568年には武田氏の侵攻により焼失する事態が発生し、後に再建されました。

現在の住職

現在の住職は72世小松日祐貫首で、山梨県身延町武井坊より晋山しています。実相寺は達師法縁（繁珠会）に所属しており、日蓮宗内での重要な地位を占め続けています。

文化財

実相寺には多くの文化財が存在しています。富士市指定の有形文化財には、木造仁王像と一切経蔵が含まれています。特に、平成16年と平成19年に行われた立正大学の調査により、実相寺所蔵の一切経が宋版と天海版であることが確認されました。これにより、宋版一切経は6000巻の中から4巻が残存していることが分かり、天海版一切経では6174巻が588箱に収められていることが明らかになりました。これらの経典は、円珍が唐から持ち帰ったものとも伝えられています。一部の経典は鎌倉に持ち出されたり、武田氏の侵攻で焼失した可能性があることも判明しています。

旧末寺

1941年に日蓮宗が本末を解体したことから、現在では実相寺は旧本山や旧末寺と呼ばれるようになりました。これにより、以前の末寺としての位置づけも重要な役割を果たしていると言えます。

魔王堂

実相寺の境内にある魔王堂では、現在も第六天魔王が祀られています。これは多くの参拝者に親しまれており、信仰の対象としても大切な場所となっています。

アクセス

実相寺へのアクセスは便利で、公共交通機関を利用する場合、JR東海身延線の「竪堀駅」から徒歩約20分の距離です。また、JR東海身延線や東海道本線の「富士駅」からは、石川タクシー発の岩松北地区コミュニティバス（こうめ）を利用し、約15分で「実相寺前」に到着します。自動車利用の際は、東名高速道路の富士川SICから約15分、富士ICから約20分の距離となります。

まとめ

実相寺は、日蓮宗における重要な寺院であり、歴史的な価値や文化財が数多く存在しています。また、アクセスの良さも相まって、多くの訪問者にとって魅力的なスポットとなっています。

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