実践倫理宏正会

実践倫理宏正会について

実践倫理宏正会（じっせんりんりこうせいかい）は、東京都千代田区に本拠を構える一般社団法人であり、1946年に設立された歴史ある団体です。創立者である上廣哲彦は、生活倫理実践会を前身としてこの団体を立ち上げ、1953年には社団法人としての許可を取得しました。それから、2014年には公益法人制度改革に関連して名称を「一般社団法人 実践倫理宏正会」に変更しました。この団体は自らを宗教団体とは見なさず、社会教育団体であると定義していますが、外部の研究者からはしばしば宗教団体とみなされることもあります。

活動内容

実践倫理宏正会の中心的な活動は毎朝実施される「朝起会」であり、全国各地で毎朝5時から6時の間に行われます。この活動では、参加者がその日の出発点として「朝の誓い」を唱和し、積極的に一日を過ごすことを誓います。元旦の朝は「元朝式」として特別なセレモニーが行われ、通常よりも多くの参加者が集まります。1978年には360の認可された朝起会場があり、その後1000ヵ所以上に増加しました。会員は主に主婦が多く、団体の活動を支えています。

「朝起会」では、参加者全員で「御本読み」や「演談」を通じて体験談や決意を共有し、最後に「結びの誓い」に合意します。「朝の誓い」は、今日一日を充実させるために意識すべき5つの項目があり、親の恩や社会への感謝についても触れられています。これらの誓いを通じて、会員は日常生活をより良くするための心構えを築いていきます。

組織体制

実践倫理宏正会の活動は、日本国内185の支部と国外の朝起会場から成り立っています。総務省の報告によると、賛助会員は409万人に達し、職員数は138人です。団体は、経済的に安定した寄付金受入れを行っており、実績として69億4932万7千円の寄付金を記録しました。1972年には本部会館を九段に構え、東京理科大学からの土地購入なども実施されました。

歴史的背景

団体の歴史は1946年に始まり、当初は生活倫理の普及を目的として活動を展開してきました。上廣哲彦が設立し、数年後には法律に則った法人として認可され、「社団法人実践倫理宏正会」へと再名付けされるに至りました。多くの政治家が式典に出席していることからも、社会的影響力のある団体であることが伺えます。

教理と哲学

同団体は、「信（しん）」を重視せず、教義も神も持たないとし、あくまで自らの生活を向上させるための知恵を提供することを目指しているとされています。これに関連する教理には、家族関係や子育て方法に関する教えが含まれ、特に「捨て育て」と呼ばれる子育て法を提唱しています。これは、過保護や過干渉を排除し、子どもが自然に成長できる環境を提供するという考え方です。

実践倫理宏正会は、生活の質を向上させるための実践的な方法を提供し、主に女性会員を中心に広がりを見せています。これにより、倫理的な生活を実践し、さらには社会全体への貢献を目指しています。

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