客殿 (大石寺)

客殿の概要と歴史

客殿（きゃくでん）は、静岡県富士宮市にある日蓮正宗総本山大石寺の中心的な建物であり、数多くの法要がここで行われています。客殿は、午前2時30分から歴代法主が行う丑寅勤行をはじめ、多くの法要や会合に利用されています。この建物は、歴史的に重要な役割を果たしており、1465年に第9世法主の日有によって初めて建立され、現在の形に至るまでに数度の再建を経てきました。

客殿の構造

現在の客殿は、1998年に完成したもので、第67世法主の日顕によって建てられました。この新しい客殿は、外観が昭和6年（1931年）の大改修後の建物を思わせる和風のデザインで、間口と奥行は約50メートル、高さは36メートルにも及びます。建物の基本的な構造は鉄骨造であるものの、外装や内装にはすべて木材が使用され、和の雰囲気を出しています。1階には玄関、下足室、倉庫が設けられ、2階には1,112畳の大広間があります。

重要な法要

客殿では、毎日の丑寅勤行のほか、故人のための追善供養の法要なども盛大に行われます。大導師の唱題行や各種会合もここで執り行われ、客殿は信者たちにとって祈りの場として重要な位置を占めています。大導師席は、内陣の前方の左側に設置されており、そこから皆の祈りを下種三宝尊に届ける役割も果たしています。

御座替本尊

客殿には、創建時に三祖日目より授与された「御座替本尊」が安置されています。この本尊は、日興が日目に授けたもので、日蓮正宗にとっては非常に大切な存在です。元々は紙幅本が安置されていましたが、後に再制作され、現在は板本尊が客殿に安置されています。

不開門の存在

客殿の正面には、「不開門」と呼ばれる門があります。この門は広宣流布の実現まで開かれることがないという特別な意味を持ち、歴史的にも重要な位置づけにあります。享保2年（1717年）に再建され、現在の門も1998年に客殿とともに新たに建てられました。

大客殿の変遷

大客殿は1964年に再建され、その当時の最先端技術を用いた鉄筋コンクリート5階建ての建物でしたが、阪神淡路大震災を受け、解体されて現在の客殿が建立される結果となりました。この大客殿には、加山又造と加藤唐九郎による陶壁「鳳凰」が飾られ、美術的にも高い評価を受けています。

結論

客殿は単なる建物ではなく、信者たちの信仰の拠り所として重要な役割を果たしています。その歴史や文化的な背景は、日蓮正宗の精神と深く結びついており、参拝者にとってかけがえのない場所です。今後も、多くの人々がこの場で平和と希望を感じることでしょう。

もう一度検索