宮内庁皇嗣職

皇嗣職について

皇嗣職（こうししょく）は、宮内庁に属する内部機関の一つであり、主に皇嗣（秋篠宮文仁親王）とその妃（紀子さま）、さらに未婚の王子や王女から成る秋篠宮家の家政を担当しています。この組織は、天皇の退位や皇位継承に関わる特例法に基づいて、2019年5月1日に設立されました。それまでの東宮職（皇太子の家政機関）は、この新たな法的枠組みのもとで廃止され、皇嗣職が新たに設けられたのです。

法的根拠

皇嗣職は、宮内庁法の附則第3条に基づいて設置されています。この法条では、退位に伴う皇位の継承の際に皇嗣としての役割を果たす皇族に関する各種の事務を遂行するための組織として皇嗣職を定義しています。この規定から、皇嗣職が設立されることが定められており、設立期間中は東宮職が設けられないことも明記されています。

職員構成

皇嗣職にはおよそ50人の職員が在籍しており、各職員の役割は以下のように分かれています。

• - 皇嗣職大夫（こうししょくだいぶ）: この役職は、東宮職での東宮大夫に相当します。皇嗣職の最高責任者であり、組織全体の業務を統括しています。給与は東宮大夫と同じ基準で設定されています。

• - 皇嗣職宮務官長: 東宮侍従長に相当する役割で、皇嗣及び皇嗣妃に対する側近奉仕を担当する職員の管理を行います。

• - 皇嗣職宮務官: 皇嗣、皇嗣妃及びそのお子様の侍側奉仕を行う職員で、定員は10名です。宮内庁長官が指定した者は「皇嗣職事務主管」として庶務を担当します。

• - 皇嗣職侍医長: 皇嗣及びその一家に関する医事を総括する役割です。

• - 皇嗣職侍医: 皇嗣やその家族の医療に関する業務を担当し、定員は3名です。

女性の役割拡大

東宮職とは異なり、皇嗣職では側近奉仕に携わる職員が性別にかかわらず宮務官として扱われます。そのため、従来の役割に縛られず、女性が皇嗣職大夫や宮務官長に就任することも十分に可能であるとされています。秋篠宮文仁親王はこの点について、女性がこのような職に就くことがある未来を示唆しています。

このように、皇嗣職は現代の皇室の運営における重要な役割を果たしており、皇族に対する公務を支えるための組織として、職員が様々な業務に携わっています。

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