宮口美吉

宮口 美吉について

宮口美吉（みやぐち よしきち）は1919年に大阪府で生まれ、戦時中にプロ野球選手としてのキャリアを持つ人物です。彼は投手だけでなく、内野手や外野手としてもプレーした多才な選手でした。

来歴と野球人生の始まり

宮口は京阪商業学校、現在の大阪府立芦間高等学校に在籍していた頃からその才能が注目されていました。特に1938年には甲子園に春と夏の両方で出場し、同校のチームメイトである深尾文彦や加地健三郎と共に青春時代を過ごしました。この時期に身につけた技術や経験が、後のプロ入りに大いに役立ったことでしょう。

プロ野球選手としてのキャリア

1938年の秋に南海軍に入団すると、宮口はチームの初代エースとしての役割を果たしました。初年度には、勝ち星が先行することはなかなか難しかったものの、合計6勝を挙げ、当時の南海では最多の勝ち頭となります。さらにそのシーズンの防御率は2.25で、リーグ防御率ランキングでは5位に入るなど、素晴らしい成績を残しました。

特に印象的なのは、1939年5月6日の阪急軍戦での出来事です。この試合では、宮口は平野正太郎投手と交代でマウンドに立ち、無安打に抑えるという快挙を成し遂げましたが、チームは2点を取られたため、ゲームは負けに終わります。これは日本プロ野球史上唯一の無安打での敗戦という珍しい記録です。

1939年には、再び10勝を挙げ、ますますその名をとどろかせましたが、同年に兵役に召集されることになりました。

戦争と復帰

1942年に宮口は復員し、再度南海に戻りました。しかし、戦場で肩を怪我してしまったため、僅か4試合の出場にとどまりました。戦後の野球に対する夢は、このようにして急に終わってしまいました。

その後、再度兵役に召集され、戦局の波にのまれてしまい、戦死してしまったという鶴見の陸軍の日々が続きました。彼の没年や死没場所については詳しい記録が残っていませんが、東京ドームの敷地内にある鎮魂の碑に彼の名前が刻まれていることから、多くの人々に思い出されていることが伺えます。

野球界に残した足跡

宮口美吉はその短いプロ野球のキャリアの中で、特筆すべき成績と記録を残しました。彼の背番号は、1938年秋から1939年が21、1942年には24でした。彼の野球に対する情熱や、戦後の苦しい状況でも彼が選手として活躍し続けようとした姿勢は、多くの後輩選手たちにとって貴重な教訓となることでしょう。

宮口の物語を通じて、戦争の厳しさや、それに伴う人々の人生の変化を深く理解することができるでしょう。

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