宮坂勝之

宮坂勝之

宮坂勝之（みやさか かつゆき、1944年 - ）は、日本の医学界において、麻酔科医として際立った業績を残している人物です。特に小児麻酔と集中治療の分野における貢献は大きく、多くの医療従事者から尊敬を集めています。

略歴

長野県岡谷市で生まれた宮坂氏は、長野県諏訪清陵高等学校を経て、1969年に信州大学医学部を卒業しました。その後、国立小児病院（現・国立成育医療研究センター）で麻酔科医としてのキャリアをスタートさせます。

1973年からは海外での研鑽を積み、トロント大学医学部トロント小児病院で麻酔・ICUレジデントとして、1974年にはペンシルベニア大学医学大学院フィラデルフィア小児病院でICUフェローとして活躍しました。1975年にはトロント大学医学部麻酔学教室の臨床講師に就任し、1976年には米国小児科学会小児科専門医（FAAP）の資格を取得しています。

帰国後も、ハーバード大学マサチューセッツ総合病院集中治療部臨床フェロー、国立小児病院麻酔科医員、米国胸部疾患学会専門医（FCCP）として、研鑽を重ね、1978年には米国麻酔科専門医の資格を取得、日本麻酔科学会指導医にも認定されました。

1984年、国立小児病院小児医療研究所病態生理研究室長に就任。1988年には国立小児病院麻酔集中治療科医長となり、1991年には東邦大学大学院医学研究科で医学博士号を取得しました。1999年にはトロント大学医学部麻酔学教室AW Conn客員教授に迎えられています。

2002年、国立成育医療センター手術集中治療部長に就任。2006年からは長野県立こども病院院長として、地域医療に貢献しました。2010年には聖路加看護大学（現・聖路加国際大学）大学院周麻酔期看護学特任教授、2011年には聖路加国際病院特別顧問・周術期センター長に就任。2018年に聖路加国際大学名誉教授となりました。

日本小児麻酔学会名誉会員、日本麻酔科学会名誉会員、日本周麻酔期看護学会常任理事、日本集中治療医学会名誉会員、日本新生児成育医学会功労会員など、数多くの学会で要職を歴任。米国小児麻酔学会（SPA）、米国麻酔科学会（ASA）、アメリカ心臓協会AHA-PALS/BLS ITCプログラムディレクターとしても活躍しています。

著書

宮坂氏は、数多くの著書を通じて、その知識と経験を広く共有しています。

単著

『新生児・小児医療でのパルスオキシメータの応用』日本医学館 1988年
『麻酔の安全とカプノメーターの応用』日本医学館 1988年
『小児気管切開ガイドブック』日本医学館 1988年
『輸液技術の原理と実際』日本医学館 1989年
『国立小児病院麻酔科ECMOガイドブック』克誠堂出版 1990年
『点滴・注射のABC』照林社 2005年

共著

『小児救急医療でのトリアージ』清水直樹共著 克誠堂出版 2006年
『ECC（救急心血管治療）ハンドブック 2005』岡田和夫、笠實宏、中澤誠共著 中山書店 2006年

監修

『周麻酔期の手術看護』日総研 2015年

翻訳

『小児麻酔マニュアル』医歯薬出版 1981年
『麻酔の危機管理』1995年
『PALSスタディガイド』 エルゼビア・ジャパン 2013年

受賞歴

宮坂氏の業績は、数々の賞によっても評価されています。

日本麻酔科学会山村記念賞 1992年
第14回井上春成賞 新技術事業団 1992年
日本麻酔科学会松木賞 2018年
日本医療研究開発大賞 経済産業大臣賞 2019年

関連項目

愛し君へ（医療監修）
積木くずし（医療指導）

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