宮城野部屋

宮城野部屋の歴史と背景

宮城野部屋（みやぎのべや）は、かつて日本相撲協会に所属していた、伊勢ヶ濱一門に属する相撲部屋です。その歴史は深く、1958年に創立され以来、数多くの名力士を育ててきました。

創設と初期の歩み

宮城野部屋は、高嶋部屋の横綱・吉葉山が引退後に一代年寄・吉葉山を襲名する形で創設されました。1960年には、吉葉山道場から名跡変更し、8代目の宮城野を襲名。この改称により、部屋名も「宮城野部屋」となりました。8代目は関取を多数育て上げ、その中には関脇・明武谷、小結・廣川といった力士が含まれています。また、初期の部屋は美しい総檜造りの建物「吉葉御殿」として知られていました。

続く世代と変遷

1977年に8代目が逝去した後、部屋付き親方の9代東関が部屋を継承。1980年には、部屋が墨田区横網から緑へ移転しました。9代目も多くの関取を育てるなど、部屋の発展に寄与しました。1989年、9代が急逝した後は、10代目が部屋を引き継ぎ、その直弟子としてモンゴル出身の白鵬を育てたことでも知られています。

不祥事と近年の課題

しかし、宮城野部屋は近年、様々な問題に直面し始めました。特に2007年には、11代宮城野による横綱・白鵬を巡る疑惑が報じられ、多くの批判を招きました。その後、11代には師匠の交代が勧告され、12代宮城野が就任しましたが、部屋は不祥事の影響を受け続けました。

2021年には、新型コロナウイルスが部屋内で流行し、多くの力士が休場。2022年には、部屋の施設が手狭になったため、移転することになりました。このような経緯から、宮城野部屋の内部環境や関係者の指導のあり方について問題視されることが増えました。

2024年以降の展望

2024年には、暴力行為に関する案件が報道され、協会のコンプライアンスに関する問題が浮き彫りになりました。13代宮城野は監督責任を問われ、厳しい処分を受け、部屋の運営が伊勢ヶ濱一門に預けられる事態となりました。

このように宮城野部屋は、多くの栄光を持ちながらも、現在厳しい再構築の時期を迎えています。力士たちの育成、そして部屋の名誉回復が、これからの大きな課題といえるでしょう。

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