宮尾節子

宮尾節子とは

宮尾 節子（みやお せつこ）は、日本の現代詩を代表する詩人の一人です。高知県で生まれ、現在は埼玉県飯能市に居を構え、精力的に創作活動を行っています。

経歴

詩作活動の始まり

宮尾氏の詩人としてのキャリアは、1993年に第10回ラ・メール新人賞を受賞したことから本格的に始まりました。この受賞は、若手詩人としての才能が高く評価された証であり、その後の活躍の礎となります。

「明日戦争がはじまる」の波及

宮尾節子氏の作品の中でも、特に広い範囲で人々の関心を集めたのが、2007年に書かれた詩「明日戦争がはじまる」です。この詩は、2014年1月にTwitterに投稿されたことをきっかけに、インターネット上で瞬く間に拡散されました。多くのユーザーによって繰り返しリツイートされ、社会的なメッセージを持つ詩として大きな注目を集めました。その影響はインターネットにとどまらず、ラジオ番組「大竹まことゴールデンラジオ」で眞鍋かをり氏によって朗読されるなど、様々なメディアでも取り上げられました。この詩は、その普遍的なテーマと強いメッセージ性から、教育分野でも評価され、2025年には三省堂が発行する中学3年生向けの国語教科書「現代の国語3」に教材として採用されることが決定しています。一方で、宮尾氏は2014年7月には、この詩の著作権を放棄するという特異な選択をしています。これは、この詩が特定の個人や団体のものではなく、より多くの人々に自由に共有され、平和への願いとして広まってほしいという意図があったものと考えられます。

インターネットを介した詩の試み

宮尾氏は、インターネットを詩の表現や交流の場としても積極的に活用しています。2011年12月には、詩人の福間健二氏、水島英己氏と共に「pw３（ポエティック・ワンダー・スリー）」を結成し、Twitter上で連詩の制作を開始しました。以来、「pw連詩組」の組長として、他の詩人たちとの共同制作や、一般からの参加も募るツイッター連詩企画を主宰するなど、新たな形式での詩の可能性を追求しています。

宮尾節子賞の創設

詩作活動と並行して、宮尾氏は詩壇の活性化や後進育成にも力を入れています。2020年には自身の名を冠した「宮尾節子賞」を創設し、優れた詩作品を生み出した詩人たちを顕彰しています。第一回となる2020年にはかとうたか氏、ikoma氏、浦邊力氏、市川茜氏が、2021年には浅葉爽香氏、雨音氏、猫道氏（猫道一家）が、2022年には金子彰子氏、樽恵美子氏、白須靖之氏（特別賞として村田活彦氏、淳子氏）が、2023年にはジュテーム北村氏、山口勲氏、にこにこハウスの仲間たちが、そして2024年には河野聡子氏、田中宏輔氏、原口昇平氏がそれぞれ受賞しており、毎年多くの才能ある詩人がこの賞によって見出されています。

主な著作

宮尾節子氏は、これまでに多数の詩集や著作を発表しています。主な単著には、初期の詩集である『くじらの日』（1990年）、ラ・メール新人賞受賞後の第一詩集となる『かぐや姫の開封―宮尾節子詩集』（1994年）、『妖精戦争』（2001年）、『ドストエフスキーの青空―宮尾節子詩集』（2005年）、『恋文病』（2011年）などがあります。インターネットでの反響を受け、『明日戦争がはじまる』は2014年に詩集として刊行され、同年にアンソロジーも出版されました。近年の著作としては『女に聞け』（2019年）があります。また、編纂にも携わっており、まほ氏著の『ありがとう』（2009年）を編纂しています。これらの著作は、宮尾氏の多様な詩的世界とテーマを映し出しています。

外部リンク

晴れときどき 宮尾節子 - 公式ブログ
宮尾節子MYO (@sechanco) - X（旧Twitter）

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