宮崎茂三郎

宮崎茂三郎の生涯と剣道への貢献

宮崎茂三郎（みやざき もさぶろう、1892年11月18日 - 1972年6月28日）は、日本の剣道界において不動の地位を築いた剣道家です。三重県津市に生まれた彼は、早くから剣道に親しみ、徒弟としての修行を経て、剣道の権威として知られるようになりました。大日本武徳会剣道範士としての名声を持つ彼は、その技術の高さだけでなく、教育者としての姿勢でも多くの後進に影響を与えました。

剣道の修行と師匠との出会い

宮崎は、1909年に大日本武徳会の内藤高治の下で内弟子としての修行を始めました。剣道に対する真摯な姿勢と、厳しい訓練によって彼はその才能を伸ばし、1912年には大日本武徳会講習所を卒業しました。その後は武道専門学校の教授として、多くの学生に剣道の技術と精神を教える立場となりました。

競技者としての活躍

彼の剣道家としてのキャリアの中で、いくつかの重要な大会にも出場しています。特に1929年の御大礼記念天覧武道大会では、指定選士の部でリーグ戦に参加。ここでは強豪選手の志賀矩や檜山義質を破ったものの、最終的には堀正平に敗れ、リーグ敗退となりました。しかし、この大会における彼のパフォーマンスは多くの剣道ファンに印象を残しました。

1934年には皇太子殿下御誕生奉祝天覧武道大会に出場し、リーグ戦で千頭直之、近藤知善、菅原融といった選手たちを相手に勝利を収めましたが、準決勝で白土留彦に敗れ、さらなるステップへとつながる機会を逃しました。

また、1939年には剣道範士に昇進し、彼の実力が高く評価されることとなります。次第に範士として名を馳せた宮崎は、1940年に紀元二千六百年奉祝天覧武道大会でも特選試合に参加し、銃剣術範士の伊藤精司との異種試合を披露しました。このような異なる武道との融合も、宮崎の剣道の幅を広げる一因となりました。

剣道界への影響

宮崎の剣道における技術の高さは、特にその発揮した左上段からの強烈な一撃で知られ、「弾丸」と称されるほどの威力を誇ります。彼の使用していた竹刀は200匁以上のものであり、彼の大柄な体格も相まって、その攻撃は多くの対戦相手にとって恐怖の対象でした。この技術は、剣道の戦略や技術の研究にも影響を与え、彼の存在は多くの後輩剣道家にとって一つの道標となりました。

結論

宮崎茂三郎は、日本の剣道界において歴史に残る剣道家の一人です。彼の剣道技術、指導理念、そして数々の大会での活躍は、後の世代に対する大きな影響を与え続けています。彼の業績は今なお剣道を学ぶ人々の励みとなり、その名は剣道の歴史にしっかりと刻まれています。

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