宮崎蕗苳

宮崎蕗苳の生涯と業績

宮崎蕗苳（みやざき ふき、1925年9月6日 - 2022年1月20日）は、日本の著名な華道家であり歌人として名を馳せました。彼女は成人してからも母である柳原白蓮の影響を受け、多方面にわたって活躍しました。蕗苳は東京都出身で、昭和天皇の又従兄妹にあたります。特に、短歌結社「ことたま」を主宰するなど、彼女の文化的な活動は多岐にわたりました。

幼少期と家族背景

1925年、蕗苳は柳原白蓮と宮崎龍介の長女として生を受けます。彼女の父方の祖父である宮崎滔天は、辛亥革命において重要な役割を果たした革命家であり、孫文の盟友でした。蕗苳はその影響を受け、非常に豊かな文化的背景の中で育ちました。彼女の父、宮崎龍介は日中戦争の和平に尽力するも、憲兵に拘束されて未遂に終わるという波乱に満ちた経験を持っています。こうした家族の歴史は、蕗苳の人生観に影響を及ぼしたことでしょう。

教育と家庭

光塩高等女学校を卒業した蕗苳は、1946年に宮崎智雄を婿として迎えました。この結婚式は明治神宮での結婚式第1号ともなり、二人の間には二人の子どもが生まれました。長男の黄石に対して、母の白蓮は深い愛情を持ち、この子を「香織の生まれ変わり」と称賛しました。家族との時間を大切にしながらも、彼女は次第に自らの趣味である華道に興味を持つようになります。

華道と短歌

子育てがひと段落した後、蕗苳は友人の勧めを受けて華道の世界に足を踏み入れました。彼女は山村御流の教授として、また名誉華務職を歴任し、華道の普及と発展に寄与しました。また、母である白蓮が1934年に創刊した歌誌「ことたま」を引き継ぎ、大切に守り続けました。彼女は母の背中を見て育ち、その姿を慕うことで自らも歌人としての道を歩みました。

人物像

娘の視点から見る母、白蓮は、ただの貴婦人ではなく、家事や子育てを通じて家庭を担い、歌を創り続ける強い女性として描かれます。彼女の歌人としての姿勢は、多くの人々に影響を与え、彼女自身もまた、母の姿を追い求める存在として生涯を全うしました。

晩年と死去

2022年1月20日、蕗苳は廃用症候群のため亡くなりました。享年96歳であり、亡くなった日は宮崎智雄との結婚記念日でもありました。彼女の生涯は、華道や短歌を通じて多くの人々に影響を与え続け、文化的な遺産を残しました。

著作

蕗苳は数々の著作を残しています。代表的なものには、「白蓮　娘が語る母 燁子」（2007年）、 「柳原白蓮の生涯: 愛に生きた歌人」（2014年）、 「白蓮　気高く、純粋に。時代を翔けた愛の生涯」（2014年）、そして「娘が語る白蓮」（2015年）などがあります。これらの著作を通じて、彼女は母の思想や生き方を語り、後世に伝える役割を果たしました。

外部リンク

さらに詳しい情報は、短歌会「ことたま会」や神田紅（講談師）のオフィシャルブログで探すことができます。

もう一度検索