宮川公男

宮川公男について

宮川公男（みやかわ ただお、1931年11月16日 - ）は、日本の著名な経営学者です。一橋大学名誉教授、麗澤大学名誉教授の肩書きを持ち、その学術的な貢献は多岐にわたります。埼玉県行田市で生まれ、経済学、統計学、経営学の分野で深く研究を行い、特に計量的なアプローチを用いたビジネス分析や政策科学の分野で大きな足跡を残しました。

学生時代から研究者へ

旧制浦和高等学校への進学には関心がなく、経済学を志し慶應義塾大学予科、早稲田大学高等学院に合格。しかし、軍国主義教育に染まらなかった評判から高倍率であった東京商科大学（現一橋大学）予科に進学しました。一橋大学では、前期課程で人文地理学を専攻、後期課程ではマルクス経済学者の杉本栄一ゼミで計量経済学を学びました。杉本教授の急逝後は、森田優三ゼミで統計学を修得しました。

大学院では、理論経済学・統計学を専攻し、計量経営学の研究グループに参加。その後、産業経営研究所で経営学の基礎を学び、ロックフェラー財団フェローとしてハーバード大学経済大学院に留学しました。

研究活動と教育

帰国後は、一橋大学で教鞭をとり、計量的なビジネス分析を専門とする研究室を主宰しました。伊丹敬之、杉山武彦など、多くの著名な研究者を育成。筑波大学社会工学系の創設にも関与し、一橋大学商学部長も務めました。

また、日本開発銀行設備投資研究所の客員主任研究員や経済企画庁経済研究所システム分析調査室室長も歴任し、政策立案にも貢献しました。

病との闘いと奇跡の復活

1984年に腎細胞がんを発症、手術で一旦は回復したものの、翌年転移。余命宣告を受けましたが、民間療法で奇跡的な回復を遂げました。2017年には高悪性度の耳下腺がんを発症しましたが、手術、放射線治療、抗がん剤治療、そして次女による水素ビタミン併用療法で再び奇跡の復活を遂げました。

多岐にわたる著書と研究分野

宮川公男は、数多くの著書を執筆しており、その研究分野は多岐にわたります。経営学、統計学、政策科学に関する書籍の他、社会問題に関する著書も発表しています。

『意思決定の経済学』
『基本統計学』
『政策科学の基礎』
『高速道路何が問題か』
* 『日経平均と「失われた20年」』

門下生と親族

宮川公男の研究室からは、多くの優れた研究者が輩出しました。主な門下生には、伊丹敬之、松井美樹、杉山武彦などがいます。また、長女はスウェーデンのカロリンスカ病院で泌尿器科専門医として、次女は法政大学教授、下北沢西口クリニック院長として活躍しています。

社会への貢献

宮川公男は、学術研究だけでなく、社会的な問題にも積極的に関与しました。経済企画庁や通商産業省の委員会で委員を務め、政策提言を行いました。

まとめ

宮川公男は、経営学、統計学、政策科学の分野で多大な貢献を果たした、日本の代表的な学者の一人です。その教育者としての功績も大きく、多くの優秀な研究者を育成しました。また、病に打ち勝った不屈の精神は、多くの人々に勇気を与えています。宮川公男の研究は、今後も社会に大きな影響を与え続けるでしょう。

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