宮本から君へ

作品概要

『宮本から君へ』（みやもとからきみへ）は、日本の漫画家新井英樹による作品です。主人公の宮本浩が新卒営業マンとして仕事や恋愛に奮闘し、徐々に成長していく様子を描いています。本作は1990年代に講談社の『モーニング』で連載され、当初は1990年第35号から1994年第34号にかけての掲載。全12巻の単行本が講談社から出版され、その後全6巻のKCデラックスや2009年の豪華本など、様々な形で刊行されました。また、2009年には新たに書き下ろしエピソードを含む『定本』が発表されています。

この作品は、1992年度の第38回小学館漫画賞青年一般部門を受賞したほか、2018年にはテレビドラマ化、2019年には映画化されるなど、その影響力は大きなものがあります。

あらすじ

物語は、大学を卒業したばかりの宮本浩が都内の文具メーカー・マルキタで営業マンとして働き始めるところから始まります。彼は未熟で、営業スマイルすらできない状態です。社会の中で自分の存在意義を見出そうと悩む宮本は、山手線の渋谷駅で見かけた美しい女性に恋をします。その女性、甲田美沙子は自動車メーカーの受付嬢でした。

彼女にアプローチし、最初は交際が始まりますが、残念ながら早々に終わってしまいます。失恋の痛手を忘れるために仕事に集中しようとするものの、ライバル営業マンである益戸からの妨害に遭い、大口の仕事を奪われる事態に直面します。そんな中、先輩の神保の紹介で知り合った中野靖子と恋に落ちます。

しかし、靖子が過去に付き合っていた風間裕二との関わりが影を落とし、最終的には彼女が真淵拓馬によってレイプされるという悲劇が起こります。この出来事が、宮本に強い復讐心を植え付けることとなります。彼は真淵との対決を誓います。

登場人物

• - 宮本浩：主人公で24歳の営業マン。仕事や恋愛に不器用だが、一途な性格を持っている。
• - 中野靖子：宮本の恋人で、強気な性格のコンピューター関連会社の社員。初めは彼女がどこか冷めた態度を持つが、宮本との関係で変わっていく。
• - 甲田美沙子：宮本が初めて恋に落ちた女性。心を開くきっかけが掴めずにいる。
• - 益戸：競争相手のクールな営業マンで、宮本の試練を作る存在。
• - 風間裕二：遊び人で靖子と同棲している。彼との複雑な関係が宮本を苦しめる。

メディア展開

本作は、2018年にテレビドラマ化がされ、主演は池松壮亮が務めました。ドラマは原作の前半部分を中心に描かれ、社会人として成長する宮本の姿が描かれました。2019年には映画も公開され、再び池松壮亮が主演しました。映画版では原作の後半部分が映像化され、壮絶な決闘シーンも含まれています。

受賞歴

本作は、漫画だけでなく、映像作品としても高い評価を受けています。テレビドラマはギャラクシー賞の奨励賞を受賞し、映画は満足度調査で1位を獲得するなどの記録を持っています。このように、『宮本から君へ』は日本のポップカルチャーにおいて重要な位置を占めている作品です。

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