宮永スエキク

宮永スエキクは、1884年（明治17年）4月7日に鹿児島県曽於郡大隅町（現在の曽於市）の農家に生まれ、1998年（平成10年）6月20日に114歳で生涯を閉じました。彼女は、その長寿で知られ、亡くなるまで日本で最も高齢な女性でした。

24歳で愛右衛門と結婚し、四男七女という大家族を築きました。彼女の人生は、家族への深い愛情と、自身の楽しみを追求する姿勢に満ちていました。趣味は三味線、太鼓、歌、踊りと多彩で、特に歌と踊りでは、おはら節を得意としていました。その明るく冗談好きな性格は、多くの人々を惹きつけました。

夫の愛右衛門とは70歳で死別しましたが、その後も彼女の生活は活気に満ち溢れていました。107歳頃まで三味線を弾き、蕎麦が好きだった彼女は、100歳を超えても自分で蕎麦を打っていました。109歳までは一人で歩いていたという事実は、彼女の並外れた健康状態を物語っています。

1993年（平成5年）に風邪をこじらせて寝たきりとなり、特別養護老人ホームでの生活を余儀なくされましたが、それでも彼女の精神力は衰えませんでした。1997年（平成9年）には、当時の日本最高齢であった哥川スエの死去に伴い、宮永スエキクが日本最高齢となりました。

しかし、その年の7月には脳梗塞で倒れ、右半身が麻痺してしまいます。その後はほぼ寝たきりの状態となりましたが、1998年（平成10年）4月7日の114歳の誕生日には、大隅町長から花束を受け取り、わずかに頬を緩める姿が見られました。しかし、その月の22日には体調を崩し入院。彼女が亡くなる直前には、11人の子供のうち、77歳の五女と75歳の三男だけが存命でした。

1998年6月20日、家族に見守られながら、老衰のため静かに息を引き取りました。その時、彼女には12人の孫と20人の曾孫がいました。宮永スエキクの死去により、誕生日が3週間違いの滝井アサが日本最高齢となりました。

宮永スエキクの生涯は、長寿だけでなく、その明るい性格、家族への愛情、そして何よりも人生を謳歌する姿勢を私たちに教えてくれます。100歳を超えても蕎麦を打つなど、彼女の生活は活動的で、多くの人々に感動と勇気を与えたことは間違いありません。彼女の人生は、まさに「生涯現役」を体現していました。

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