宮田孝治

宮田 孝治（みやた こうじ、1923年1月15日 - ）は、日本出身のサッカー選手、サッカー指導者です。選手時代は、主にハーフバック、現在のミッドフィールダーとしてプレーしました。

そのキャリアは、兵庫県立第一神戸中学校（現兵庫県立神戸高等学校）を経て、早稲田大学に進学したことから始まります。大学ではア式蹴球部に所属し、1942年の第1回関東学生選手権、翌1943年の東西学生対抗といった重要な大会での優勝に貢献するなど、学生サッカー界で頭角を現しました。しかし、第二次世界大戦の影響により国内の公式戦が中断され、彼の選手としての歩みも一時的に停止せざるを得ませんでした。

大学を卒業した1946年、宮田氏は田辺製薬サッカー部に入団します。このチームで彼は、全日本実業団サッカー選手権大会において7度の優勝（うち6度は驚異的な連覇）という、社会人サッカー史に残る偉業達成の中心選手となりました。攻撃陣を担った鴇田正憲や賀川太郎といったタレントと共に、守備の要である宮田氏の粘り強いディフェンスは、1950年代を通じて田辺製薬を社会人サッカー界の屈指の強豪へと押し上げる原動力となりました。また、田辺製薬での活動の傍ら、六甲クラブの選手として全日本サッカー選手権大会（現在の天皇杯全日本サッカー選手権大会の前身にあたる大会）にも出場しています。関西選抜のメンバーにも度々名を連ね、東西対抗などの試合でその実力を示しました。

日本代表としても国際舞台を経験しています。国際Aマッチには通算6試合に出場（別の記録では5試合とするものもあります）。1951年3月にインドで開催された第1回アジア競技大会で代表デビューを飾りました。また、1954年3月に行われたワールドカップ・スイス大会の予選、そして同年5月にフィリピンで開催された第2回アジア競技大会といった主要な国際大会にも出場しています。さらに、1956年6月にはメルボルンオリンピック予選の対韓国戦でピッチに立ち、同年11月の本大会にも参加。1958年の第3回アジア競技大会や1959年のローマオリンピック予選など、長きにわたり日本代表として戦いました。

現役引退後、宮田氏は指導者としての道を歩み始めます。1961年からは、選手として輝かしい実績を残した古巣である田辺製薬の監督を務め、1973年までチームの指揮を執り、後進の育成にも尽力しました。

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