宿毛貝塚

宿毛貝塚は、高知県宿毛市宿毛に位置する、縄文時代後期（約3,500年前）の貝塚です。1957年（昭和32年）7月27日に国の史跡に指定されました。

概要

宿毛貝塚は、宿毛市宿毛貝塚地区の願成寺山の山麓台地上、標高約5ｍ付近に位置し、東貝塚と西貝塚の2つに分かれています。1891年（明治24年）に寺石正路によって発見され、彼によって初めて学術的に紹介され、全国的にも著名な貝塚となりました。

発掘調査

1949年（昭和24年）と1985～1986年（昭和60～61年）に高知県教育委員会が発掘調査を行いました。また、1996年（平成8年）には宿毛市が発掘調査を行い、縄文土器のほか、石器、獣骨、魚骨、貝類、埋葬人骨などが出土しています。貝層には、ハマグリを中心に多様な貝類が含まれています。

出土品

縄文土器：当時の人々が使用していた土器。
石器：狩猟や採集に使用された石製の道具。
獣骨・魚骨：当時の食生活を示す動物の骨。
貝類：ハマグリを中心に、多様な種類の貝が出土。
埋葬人骨：当時の人々の埋葬方法を知る手がかり。

宿毛貝塚の意義

宿毛貝塚は、縄文時代後期の生活様式や自然環境を知る上で非常に重要な遺跡です。出土した土器や石器、動物の骨などから、当時の人々の食生活や技術水準を垣間見ることができます。また、貝層に含まれる貝の種類や量から、当時の気候や海の状況を推定することも可能です。国の史跡として保護されており、今後も学術的な調査研究を通じて、縄文時代の解明に貢献することが期待されています。

まとめ

宿毛貝塚は、高知県宿毛市に位置する縄文時代後期の重要な貝塚であり、国の史跡に指定されています。発掘調査によって、当時の人々の生活や文化を知る上で貴重な遺物が多数出土しており、縄文時代の研究に大きく貢献しています。

参考文献

高知県教育委員会 1986年『宿毛貝塚発掘調査報告書』高知県教育委員会

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