寄居町 (新潟市)

寄居町（よりいちょう）

概要

新潟市中央区に位置する寄居町は、住居表示が実施されていない単独の町名です。郵便番号は951-8113となります。現在の町名が定められたのは1883年（明治16年）で、それ以前は幕末から続く「寄居白山外新田」の一部でした。町名「寄居町」は、この旧称を受け継いでいます。

地理

寄居町は、周囲を複数の町字に囲まれています。地理的には、北側から時計回りに、東大畑通、西堀通、営所通、そして下旭町と隣接しています。

歴史

寄居町の歴史は、江戸時代中期に遡ります。弘化2年（1845年）、それまで寄居村と呼ばれていた地域が新潟奉行の支配下に入り、「寄居白山外新田」と名を改めました。これが現在の寄居町の直接的な前身となります。

明治維新後、行政区画の再編が進められました。明治元年（1872年）には、寄居白山外新田の一部から旭町通が分かれて成立しました。さらに、明治12年（1879年）4月9日には、寄居白山外新田が新たな行政単位であった新潟区に組み込まれます。

この明治12年前後には、旧寄居白山外新田の区域から多くの新しい町字が分立しました。そして、明治16年（1883年）には、地域の名称が寄居白山外新田から現在の「寄居町」へと改称されたのです。

その後も町の位置づけは変化しました。明治22年（1889年）4月1日、新潟区が市制を施行して新潟市となった際に、寄居町は新潟市の町丁となりました。さらに時代の変化を経て、平成19年（2007年）4月1日の新潟市の政令指定都市移行に伴い、寄居町は中央区の町丁として位置づけられています。

旧寄居白山外新田から分立した主な町字

明治初期から中期にかけて、旧寄居白山外新田の広大な区域からは多くの町字が新設または再編されました。以下に、その中から現在の寄居町周辺や新潟市中央区内に見られる主な町字と、その分立時期・変遷の一部を挙げます。

旭町通（あさひまちどおり）: 明治元年、寄居白山外新田の一部から分かれました。
営所通（えいしょどおり）: 明治12年に分立しました。
学校裏町（がっこううらまち）: 明治12年に分立しました。
北大畑町（きたおおはたちょう）: 明治12年に分立しました。
北浜通（きたはまどおり）: 明治12年に分立し、現在1丁目から2丁目があります。
下旭町（しもあさひまち）: 明治12年に「下朝日町」として分立後、明治16年に現在の名称に改称されました。
田中町（たなかまち）: 明治12年に分立しました。
寺裏通（てらうらどおり）: 明治12年に分立し、現在1丁目から2丁目があります。
中大畑町（なかおおはたちょう）: 明治12年に分立しました。
西大畑町（にしおおはたちょう）: 明治12年、当時の新潟町の町域変更に伴い、寄居白山外新田の一部から新設されました。町名は、周辺にあった大畑という地名に由来するとされます。
西中町（にしなかまち）: 明治12年に「西中通1〜3番町」として分立し、明治16年に現在の「西中町」に改称されました。
東大畑通（ひがしおおはたどおり）: 明治12年に「東大畑町」として分立し、明治16年に現在の「東大畑通」に改称されました。
東中通（ひがしなかどおり）: 明治12年に分立しました。
南大畑町（みなみおおはたちょう）: 明治12年に分立しました。
* 南浜通（みなみはまどおり）: 明治12年に分立し、現在1丁目から2丁目があります。

なお、明治12年に分立した町字の中には、裏浜町、北横堀町、寺裏北町、寺裏中町、寺裏南町、中横堀町、横朝日町のように、短期間で廃止され、明治16年頃にはその名を残さなかったものも複数存在しました。

主な施設・観光

寄居町内には、新潟中央警察署や、日本銀行新潟支店といった公共性の高い重要な施設が立地しています。また、この地域には、排卵日予測法である「オギノ式」を開発した著名な医師、荻野久作にちなんで名付けられた「オギノ通り」があり、地域住民に親しまれています。

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