富原橋

富原橋の概要と歴史

富原橋（とみはらばし）は、静岡県富士市と富士宮市を結ぶ富士川に架かる重要な橋です。この橋は、旧松野村と旧芝富村の間を渡るために設けられたもので、地域の交通網において重要な役割を果たしています。

歴史的背景

まず、この地域の渡河の手段を理解する上で重要なのは、以前は渡し船を使っていたという点です。増水時には船が利用できなかったため、地域住民にとって大きな不便がありました。また、1915年に身延線が芝富村まで延伸され、芝川駅が開業すると、松野村の住民もこの駅を利用するようになり、架橋の必要性が一段と高まりました。

最初の富原橋が架けられたのは1930年のことで、これは吊り橋として設計されました。この橋により、富士川の増水に関わらず渡ることができるようになりましたが、橋幅が狭く車一台しか通れない状況でした。特に車両が通行するたびに橋が揺れるため、通行する住人たちは恐怖を感じながらこの橋を渡る日々を送ったのです。

現在の橋の状況

そのため、戦後、より頑丈で安全な橋への架け替えが求められ、1955年に現在存在しているトラス橋が完成しました。この新しい橋は、車両の通行に対してより安定感があり、地域の交通を大きく改善しました。昔の吊り橋はその後撤去されましたが、松野側の橋脚の一部は今でも残っており、過去の名残を感じることができます。

主要諸元

富原橋の全長は200メートル、幅は6メートルで、片側1車線、往復で2車線の構造となっています。ただし、歩道が設けられておらず、大型車が多く行き交うため、通行する際には十分に注意が必要です。この橋は静岡県道・山梨県道10号富士川身延線上にあり、この道路で唯一富士川を渡る橋でもあります。

まとめ

富原橋は地域の交通ネットワークにおいて重要な役割を持つ橋であり、その歴史は地域住民の生活にも深く根付いています。今後も安全に利用され続けることが求められます。

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