富士見ドラゴンノベルズ

富士見ドラゴンノベルズ：TRPGファン必読の文庫レーベル

富士見ドラゴンノベルズは、[1987年]]から1995年まで富士見書房が刊行していた文庫レーベルです。海外のテーブルトークRPG]と密接に関わる小説作品の翻訳出版を主な目的としており、TRPGファンにとっては見逃せないレーベルでした。姉妹レーベルである「[[富士見ドラゴンブック」がゲーム関連書籍を扱っていたのに対し、こちらは小説に特化していました。

特徴

このレーベルの最大の特徴は、海外のTRPG、特にファンタジー系のノベライズ作品を数多く翻訳・出版していたことです。『ドラゴンランス』シリーズを始めとするマーガレット・ワイスの作品群や、『フォーゴトン・レルム』関連作品、『トラベラー』、『バトルテック』など、当時としては非常に幅広いラインナップを誇っていました。

海外作品の翻訳という性質上、全6巻で完結するシリーズが多いのも特徴です。これは、海外のSF・ファンタジー作品に頻繁に見られるトリロジー（三部作）を、文庫本の分量に合わせて各巻を上下2分冊として刊行したためです。そのため、原書では1巻である作品が全2巻として刊行されているケースも見られました。各巻に副題が振られているものの、書名だけでは原書の構成が分かりにくい場合もありました。

歴史

1987年5月、『ドラゴンランス戦記1 廃都の黒竜』がレーベル最初の作品として刊行されました。その後、様々なシリーズが展開されましたが、1995年9月、『レイストリンと兄 ドラゴンランス序曲』が最後の作品となりました。この作品は『ドラゴンランス序曲』の原書6作中の第3作にあたりますが、残念ながら続巻は刊行されませんでした。

主なシリーズ

富士見ドラゴンノベルズからは、数多くの人気シリーズが刊行されました。

ドラゴンランス関連シリーズ：『ドラゴンランス戦記』、『ドラゴンランス伝説』、『ドラゴンランス英雄伝』、『ドラゴンランス序曲』など、TRPG「ドラゴンランス」の世界を舞台にした作品群。
マーガレット・ワイス著作シリーズ：『ダーク・ソード』、『熱砂の大陸』、『ディオン・スターファイア』など、人気作家マーガレット・ワイスによるファンタジー作品。
フォーゴトン・レルム関連シリーズ：『ムーンシェイ・サーガ』、『プール・オブ・レイディアンス』、『プール・オブ・ダークネス』、『アイスウィンド・サーガ』、『シャドウデイル・サーガ』など、TRPG「フォーゴトン・レルム」の世界を舞台にした作品群。
その他RPG関連シリーズ：「トラベラー」、「バトルテック」など、様々なTRPGのノベライズ作品。
* その他シリーズ：「グラマリエの魔法家族」、『ストーリーテラー』、「魔法使い(ウイザード)になる方法」、「ムレムの書」など、ファンタジーやSFなど多様なジャンルの作品。

復刊

「ドラゴンランス戦記」と「ドラゴンランス伝説」、アイスウィンド・サーガは後にアスキー・メディアワークスから復刊されました。また、「ドラゴンランス戦記」の冒頭2巻は角川つばさ文庫から再復刊され、若い世代にも親しまれています。

富士見ドラゴンノベルズは、短い期間での活動でしたが、海外TRPGの世界を日本の読者に広める上で大きな役割を果たしました。現在では入手困難な作品も多いですが、復刊などを通じて、その魅力が再評価されることを期待します。

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