富山刑務所

富山刑務所：歴史と社会復帰支援の取り組み

富山刑務所は、富山県富山市西荒屋に位置する、法務省矯正局名古屋矯正管区に属するB級刑務所です。収容定員は505名で、再犯者の短期処遇を主な目的としています。

歴史

明治14年(1881年)、「石川県富山囚獄懲役署」として設立され、その後「石川県富山監獄署」、「富山監獄支署」、「富山県監獄本署」と名称を変えながら、高岡や魚津に支署を置くなど、変遷を繰り返しました。明治32年(1899年)には現在の富山市西田地方に移転。大正9年(1920年)には金沢監獄富山分署として新築落成、昭和22年(1947年)に現在の「富山刑務所」に改称されました。昭和47年(1972年)には施設老朽化のため移転が決定され、現在の場所に新築移転を果たしました。旧所在地には、その後富山市城南公園と富山市科学博物館が整備されています。

高岡拘置支所は2021年3月に廃止されました。

刑務作業と社会復帰支援

富山刑務所は、特色ある刑務作業として神輿製作に取り組んでいます。1976年から開始されたこの作業は、受刑者約10名で年30～40基の神輿を製作し、価格は60万円から615万円と幅があります。ケヤキ材を使用した最高級品は、2014年時点で2,739,000円(税込)でした。しかし、比較的短期の刑期の受刑者が多いことから、技術習得後に刑期を終えてしまうという課題も抱えています。

この他にも、木材工芸の技術指導施設があり、受刑者の社会復帰に向けた訓練が行われています。

その他

富山刑務所は、映画『あなたへ』の舞台にもなったことで知られています。同映画で高倉健さんが演じた指導技官は、実在の指導技官がモデルとなっており、2019年3月に定年退官されています。

2023年6月5日には、受刑者の器物損壊事件が発生し、富山地方検察庁に書類送検される事案がありました。

アクセス

所在地：〒939-8251 富山県富山市西荒屋285-1
富山空港から車ですぐ
北陸自動車道 富山ICから約5分
北陸新幹線富山駅から富山地鉄バス「八尾・鏡町」または「総合運動公園」行き乗車、「西荒屋北口」下車

組織

所長の下に2部1課の2部制です。

総務部（庶務課、会計課、用度課）
処遇部（処遇担当、企画担当）
* 医務課

富山刑務所は、歴史と伝統を背景に、再犯防止と社会復帰支援に尽力する重要な矯正施設です。

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