富山医科薬科大学

富山医科薬科大学について

富山医科薬科大学（とやまいかやっかだいがく）は、富山県富山市に位置した国立大学で、1975年に設立され、2005年に廃止されました。学問分野としては医学と薬学を中心とし、特に和漢薬の研究で知られていました。校訓として「東西医学の融合」と「医学薬学の有機的連携」を掲げており、これに基づいた教育と研究を推進していました。

大学の沿革

富山医科薬科大学のルーツは1894年に遡ります。当時は私立共立薬学校として設立され、富山市の補助金と地域の製薬会社の寄付により成り立ちました。1910年には富山県立薬学専門学校となり、その後1920年に官立に移管、官立富山薬学専門学校として新たなスタートを切ります。

1949年には国立学校設置法に基づき、富山大学の薬学部に統合される形で、医学と薬学を分離した形での教育が進められます。1975年に富山医科薬科大学として新たに開学した際には、医学部が設置され、翌年には薬学部も富山大学から移管されました。初期の学生は、富山県立富山中部高等学校の旧校舎で学びました。

その後、1977年に新校舎が完成し、薬学部付属薬用植物園も設置されるなど、施設がグレードアップしていきました。1993年には北陸初の看護系4年制学科が設置され、更に1996年には看護学科の専用校舎が完成しました。

2005年には、富山大学と高岡短期大学が統合し、新たな「富山大学」が誕生しました。この統合は、地域における教育や研究をさらに深化させることを目指すものでした。

大学のキャンパスと学部

富山医科薬科大学は杉谷キャンパスに位置し、全学部が同所に集結していました。学部としては、医学部、看護学科、薬学部があり、各学科は相互に連携しながら専門的な教育を行っていました。

また、大学院には医学系研究科や薬学研究科が設置され、修士課程や博士課程が用意されていました。特に医科学専攻や認知・情動脳科学専攻など、先進的な研究テーマも扱われていました。

研究所と付属施設

同大学の研究機関には、和漢薬研究所や生命科学実験センター、先進医薬共同開発推進センターなどがあり、様々な研究活動が行われていました。付属施設としては、附属病院や図書館、薬学部附属の薬用植物園も併設しており、学術研究及び地域医療への貢献を図っていました。

結び

富山医科薬科大学は、その設立以来、医療と薬学における教育と研究を通して地域社会に寄与してきました。その歴史は富山大学への統合によって新たな形で続いており、多くの卒業生が各分野で活躍しています。

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