富津火力発電所

富津火力発電所について

富津火力発電所は千葉県富津市にある天然ガス火力発電所で、JERAが運営しています。この発電所は東京電力によって建設され、1985年12月に最初の発電ユニットが運転を開始しました。現在、発電機の総出力は516万kWに達しており、国内では鹿島火力発電所と東新潟火力発電所に次ぐ規模を誇ります。また、世界的にも大規模な火力発電所の一つと言えます。

発電方式と能力

発電所はコンバインドサイクル発電方式を採用しており、特に熱効率の向上を追求してきました。発電系列は複数ありますが、特に1号系列においては、1,100℃級コンバインドサイクル方式、そしてさらに高い1,300℃級と1,500℃級の方式が導入されています。これにより、4号系列では熱効率が59%を達成しています。

改善と効率向上

2016年からは、1号系列の一部と2号系列において発電効率を向上させるため、ガスタービンの取替工事を順次実施してきました。この取り組みにより、発電効率が1号系列では3.3%から4.2%の向上が見込まれ、2号系列では7.1%の改善が達成されました。この結果、2号系列の出力は2017年に112万kWに増強されています。

発電所の歴史

初期の運転開始以降、発電所は数度にわたる更新や改良を経てきましたが、特に4号系列では東芝とGEの共同技術を用いた発電方法が初めて導入され、素晴らしい性能を発揮しています。また、発電所は2016年に東京電力からその100%子会社に移管され、さらに2019年にはJERAに承継されました。

付随施設とLNG供給

発電所内にはLNG（液化天然ガス）の基地が設けられており、他の火力発電所への供給も行っています。1985年から輸入を開始し、これまでに多くの国からLNGを受け入れ、累計では2009年4月までに1億トンに達しました。この量は、日本の総受入量の約8%に相当します。発電所だけでなく、他の企業にもガスを供給しており、安定したエネルギー供給を支えています。

ガス導管と供給網

発電所間の効率的な運用を実現するために、2009年にはガス導管が運用を開始し、地域内の火力発電所を効率的に結ぶパイプラインが構築されました。これにより、安定したLNG供給が可能となり、地域での電力需給バランスを保つことに寄与しています。

過去の事故と対応

発電所の稼働中には、火災事故も発生しています。2015年8月、4号系列の第1軸で火災が発生し、消火作業が行われました。この事故の原因は、ガスタービンの部品の損傷から生じた振動によるものでした。問題が解決された後、第1軸は2017年に復旧しました。

まとめ

富津火力発電所は、環境負荷の低減を目指しながら、高効率の発電技術を用いて電力を供給し続けています。発電所の進化は、技術革新だけでなく、エネルギー供給の安定性を確保する上でも重要な役割を果たしています。

もう一度検索