富洲原港

富洲原港の概要

富洲原港（とみすはらこう）は、三重県四日市市に位置し、伊勢湾岸の富洲原地区にある漁港や貨物港、小型客船港として知られています。この港は四日市港の一部であり、周囲には富双2丁目や富田一色町、住吉町、天カ須賀1丁目、新町などが広がっています。特に、富双2丁目や天カ須賀新町は埋立地として整備されている点が特徴です。

港の環境は豊かで、揖斐川を含む木曽三川から大雨の際には流木が漂流する自然が魅力です。港内にはトイレ設備も完備され、交通アクセスも申し分ありません。JR関西本線の富田駅から徒歩15分と近く、自動車を利用する場合は国道23号線の富田一色町交差点にもスムーズにアクセスできます。また、駐車場は無料で利用できるため、訪れる際の利便性も高いです。

漁業と魚介類

富洲原は魚介類が豊富であることから、古くから漁業が行われてきました。明治以前には地曳網や打瀬網を用いるなど、さまざまな漁法が実施されていました。特に地曳網や揚繰網を利用して多くの魚を捕獲し、富田の焼き蛤や赤貝など貝類も豊富に採れました。

明治15年の統計によれば、富田一色港や天ヶ須賀漁港では多くの漁船が活動しており、主な漁獲物として鰯やひしこが挙げられます。これらは水産加工業に結びつき、鰯の加工品やひしこの加工が進められてきました。また、大正時代には漁船の動力化が進み、より効率的な漁業が営まれるようになりました。

釣りの魅力

富洲原港は釣りを楽しむ場所としても人気があります。周囲には富双緑地公園や食堂などが整備され、テトラや足場の良い場所も多く、アングラーにとって魅力的な環境です。特にサビキ釣りではサッパなどの小型回遊魚が狙えるほか、投げ釣りでハゼや根魚も捕獲できます。船員会館内には食堂や売店があり、便利な施設も充実しています。

歴史的背景

江戸時代中期以降、富洲原港は廻船業や漁業が盛んな地域であり、米の積み出し港として重要な役割を果たしていました。明治初期までには多くの船舶が利用されており、漁村が形成されていましたが、近代化に伴い、陸運の発展が進み、港の重要性は減少しました。それでも、明治末期から大正にかけては産業が発展し、港の改修が求められるようになりました。

地元の要望に応じて、富洲原港は昭和5年度に指定港湾となり、以降も工事が進められました。現在でも、港の改修や施設の整備が行われ、地域の発展が続いています。

まとめ

富洲原港は、漁業や交通の要所としてだけでなく、釣りのスポットとして多くの人々に利用されています。歴史ある漁港としての魅力はもちろん、訪れる人々に様々な楽しみを提供する地域と言えるでしょう。

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