富田砕花旧居

富田砕花旧居：歴史と文学が息づく芦屋の歴史的建造物

兵庫県芦屋市に佇む富田砕花旧居は、近代日本の文学史において重要な役割を果たした歴史的建造物です。1934年、文豪谷崎潤一郎が新婚の妻・松子とともに生活の拠点を構え、小説『猫と庄造と二人のをんな』の舞台ともなった由緒ある屋敷です。

谷崎潤一郎の滞在後、1939年5月には詩人として知られる富田砕花が移り住み、生涯をこの地で過ごしました。広大な敷地を誇り、10もの部屋を有する屋敷でしたが、1945年8月6日、アメリカ軍による空襲によって焼失するという悲しい歴史を刻むことになります。

しかし、激しい戦火の中、旧書斎だけは奇跡的に焼け残りました。この書斎こそ、谷崎潤一郎が代表作である『源氏物語の現代語訳』や『半そで物語』などを執筆した場所です。富田砕花にとっても、創作活動の重要な拠点として活用された空間であり、多くの作品がここで生まれたに違いありません。

現在、旧居跡には戦災を免れた旧書斎と戦後建設された母屋、管理棟、そして静寂に包まれた庭園が残されています。1987年より富田砕花顕彰会の管理の下、旧書斎において富田砕花の貴重な遺品や原稿などの資料が一般公開されています。来訪者は、往時の雰囲気を偲びながら、詩人の足跡を辿ることができるでしょう。

アクセスと開館情報

富田砕花旧居は、阪神電鉄本線「打出駅」から徒歩5分というアクセスの良さも魅力です。「芦屋駅」からも徒歩10分と、公共交通機関を利用して容易に訪れることができます。

開館日は日曜日と水曜日で、8月13日から19日までの期間と年末年始は休館となります。開館時間は午前10時から午後4時まで、入館は午後3時までです。

何よりも嬉しいのは、入館料が無料である点です。歴史と文学に触れたい方にとって、敷居の低さは大きな魅力と言えるでしょう。

周辺環境

富田砕花旧居周辺には、兵庫県立海洋体育館（芦屋マリンセンター）、芦屋海浜公園プール、ベルポート芦屋など、様々な施設があります。文化に触れた後は、これらの施設でスポーツやレジャーを楽しむことも可能です。芦屋という街の豊かな魅力を、存分に味わえる立地と言えるでしょう。

関連情報

富田砕花旧居を訪れた際には、関連情報として富田砕花賞や、近隣の文学館なども合わせて見学してみるのも良いでしょう。より深く芦屋の歴史と文学に触れることができるはずです。

公式サイトでは、より詳細な情報や、最新のお知らせを確認することができます。興味のある方は、ぜひ公式ホームページも訪れてみてください。

もう一度検索