寛水流

寛水流空手の概要

寛水流空手（かんすいりゅうからて）は、1979年に空手家の水谷征夫とプロレスラーのアントニオ猪木によって設立されたフルコンタクト空手の流派です。その名称は、猪木の本名にあたる「寛」と水谷の名前の「水」を組み合わせたものであります。

初代会長には水谷征夫が就任し、名誉会長はアントニオ猪木が務めました。現在、寛水流空手は「NPO法人 世界寛水流空手道」として東海地方を中心に多岐にわたる活動を展開しています。

発足の背景

設立の背景には、アントニオ猪木の「いつ何時でも誰でも挑戦を受ける」という姿勢があります。これに対し、水谷征夫が安藤昇の小説『東海の殺人拳』のモデルとして知られ、猪木に「命を懸けたルールの無い戦い」を提案しました。両者はこの挑戦を受け入れ、一度は試合の合意を見ましたが、試合は最終的に中止されました。猪木は水谷のプロレス界における地位にもかかわらず、挑戦を受け入れた姿勢を尊敬し、水谷もまた猪木の闘志に驚かされました。このような過程から、両者は親交を深め、寛水流空手が設立されました。この流派は、プロレスや格闘技の要素を取り込みつつ、自由度の高い交戦ルールを特徴としています。

現在の活動

2019年には、寛水流空手は成道会、拳友会、竜成会、天心会の4つの会派から成り立ち、また直轄支部道場やオーストラリアにも支部を展開しています。毎年10月には、津市にてNPO法人が主催するオープン選手権が開催されており、空手や各種格闘技から約800名の選手が参加しています。この大会は、東海地方で最大級のイベントの一つとなっています。

寛水流空手道の大きな魅力の一つは、広い参加資格が設けられている点です。流派やスタイルにとらわれず、ルールを守れる選手であれば誰でも参加できるため、多様な背景を持つ選手が集まります。大会には名誉会長のアントニオ猪木や寛水流出身のプロレスラーたちがゲストとして参加し、彼らの登場は毎年歓声を呼ぶ恒例行事となっています。特に、猪木の「1、2、3、ダァー」という掛け声が開会式の場を盛り上げ、会場は非常に熱気に満ちています。

組織の運営

現在の役員には、会長として森山幸則、会長代行に吉村隆秀（竜成会会長）、副会長には長谷川昌宏（天心会会長）、波田賢功（拳友会会長）、黒川浩伸（成道会会長）などが名を連ねています。また、相談役には北村孝嗣がいます。これらのメンバーが協力し、将来的な発展を視野に入れた取り組みを行っています。

寛水流空手は、設立から多くの歴史を有し、現在でも多くの支持者と選手を抱える流派です。競技の普及と同時に、仲間やライバルとの交流を大切にしながら、その伝統を受け継いでいます。

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