寝台特急「北陸」殺人事件

寝台特急「北陸」殺人事件

西村京太郎の推理小説『寝台特急「北陸」殺人事件』は、1984年に講談社から刊行された作品です。

あらすじ

太陽物産に勤める高橋理沙は、大学時代の親友・本田めぐみから金沢への旅行に誘われます。しかし、翌日になってもめぐみからの連絡が途絶え、不安になった理沙は、同じく大学時代の親友で、富山で旅館を経営する神木美也子に連絡を取ります。そして、寝台特急「北陸」で金沢へと向かうことを決意します。

しかし、事件は「北陸」の中で起こります。早朝、理沙は何者かに後頭部を殴打され、意識を失います。気がつくと、見知らぬ男の死体と共に寝台に横たわっていました。その男は、大学時代に知り合った井崎徹だったのです。殺人犯として疑われた理沙は、警察から解放された後、美也子と共に金沢へ向かい、事件の真相を追うことになります。

イラストレーターとして活躍するめぐみと、大手広告会社に勤務していた井崎は、仕事とプライベートの両方で親交があったようです。井崎の死に、めぐみも巻き込まれているのではないかと考えた理沙と美也子は、金沢の名所旧跡、芦原温泉、東尋坊へと、めぐみの足跡を辿ります。

一方、東京では、売れないイラストレーターが毒殺される事件が発生します。被害者とめぐみとの繋がりが明らかになり、十津川警部と亀井刑事が捜査を開始します。関係者の証言から徐々に明らかになる事件の構図。そして、十津川警部はすべての謎を解き明かすため、寝台特急「北陸」に乗り込みます。

井崎徹殺しには、不可解な点がありました。理沙が襲われたのは9号車の通路、そして死体が発見されたのは1号車の寝台です。犯人は意識不明の理沙を、わざわざ1号車まで運んだことになります。十津川警部は、この点に強い疑問と興味を抱きます。

「北陸」に乗車後、深夜に目を覚ました十津川警部は、あることに気づき、驚愕します。その事こそが、十津川警部の疑問を解決し、犯人特定と事件解決への最大のヒントとなるのでした。

登場人物

十津川省三: 警視庁の警部。
亀井定雄: 十津川警部の部下である刑事。
高橋理沙: 太陽物産に勤務する女性。本作のヒロイン。
神木美也子: 理沙の大学時代の親友で、富山で旅館を経営。
本田めぐみ: 理沙の大学時代の親友で、イラストレーター。
井崎徹: 大手広告会社に勤務。物語冒頭で殺害される。

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