寺島幹夫

寺島 幹夫 (てらしま みきお) のプロフィール

寺島幹夫は1931年9月4日に福井県福井市に生まれ、2008年12月4日に77歳で亡くなった日本の声優、俳優、演出家です。彼は劇団俳協の代表を務め、数多くの舞台やアニメーション、映画に出演しました。

幼少期と教育

寺島は小学校教師の両親の末っ子に生まれました。父親は小学校の校長であり、彼は幼少期から教育に触れた家庭環境で育ちました。しかし、戦争中には軍国少年としての生活を送り、福井県の空襲で家が焼けるという厳しい体験をしています。終戦後は演劇に関心を持ち、文学や社会科学、哲学を学びながら次第に演技へと傾倒していきました。高校時代には演劇部に所属し、主役を演じることが多く、その燦然とした才能から「県内一の演劇青年」と称されました。

1949年に福井県立藤島高等学校を卒業後、地元の企業に就職しますが、その生活に耐えきれず、上京を決意し1952年に家出同然で上京します。新演劇研究所に入所し、下村正夫の指導を受けながら芝居を学ぶ日々が始まりました。初舞台は1953年、野間宏原作の『真空地帯』で、以後、目覚ましい活動を展開していきます。

劇団と声優活動

1958年には劇団新演を設立し、経営責任者も務めましたが1964年には独立し、フリーの演技者として活動を広げます。特に1960年代は若松孝二監督の作品に多く出演し、独特の存在感を放つ異能の俳優として評価されました。

1970年代に入り、劇団の維持が困難となる中で、テレビの影響力が強まっていくと、寺島も声優活動に移行。これまでの実績を生かし、外国映画の吹き替えやアニメーションの声優として活躍し、特に悪役や教師役に多く起用されました。

晩年と引退

自身の健康状態が気になる中、2001年に役者としての引退を決意しましたが、以降も演出家として劇団で活動を続けました。2008年には心臓の不調を訴え、検査入院。それから一時退院し、日常に戻るも、自宅で突然倒れ、命を落とすという悲劇に見舞われました。

寺島の特徴と業績

寺島はバスの声域を持ち、福井弁での演技も特徴の一つでした。趣味として登山を行い、若い頃には女系家族の初代長男として育ったことが、彼の人間性に影響を与えたと言われています。また、彼には多くの後継者が存在し、彼の持ち役を引き継ぐ形で新たな声優たちが育っていきました。

主な出演歴

寺島は多岐にわたるメディアで活躍しました。テレビドラマ、映画、舞台、アニメーション、さらには特撮や吹き替えなど、彼の表現力はその幅広さで知られています。特にアニメでは『科学忍者隊ガッチャマン』のベルク・カッツェや『ルパン三世』シリーズのキャラクターなど、今なお多くの視聴者に愛され続けています。彼の業績は日本の声優界に多大な影響を与え、後世にその名を伝えることでしょう。

もう一度検索