寺崎英樹

寺崎英樹氏(1941年生まれ)は、日本のスペイン語学界を代表する重鎮の一人です。東京外国語大学を卒業後、同大学院修士課程を修了。その後、小樽商科大学で助教授を務めたのち、東京外国語大学教授として長年教鞭を執りました。

同大学では、スペイン語の教育と研究に大きく貢献されました。その専門知識と豊富な経験は、多くの学生や研究者を育成し、日本のスペイン語教育のレベル向上に多大なる影響を与えたと言えるでしょう。2004年に東京外国語大学を定年退官後は、名誉教授の称号を授与され、その後も神奈川大学外国語学部特任教授として後進の指導にあたりました。2012年に神奈川大学を退職。

その間、スペイン語学に関する数々の著書や共編著を発表し、スペイン語学習者や研究者から高い評価を得ています。代表的な著書として、『スペイン語文法の構造』『スペイン語文法のシステム』『スペイン語史』などが挙げられます。これらの書籍は、スペイン語学習における重要な参考文献として、長く愛読され続けています。

特に『スペイン語文法の構造』と『スペイン語文法のシステム』は、スペイン語の文法を体系的に解説したもので、初学者から上級者まで幅広い学習者のニーズに応えています。また、『スペイン語史』は、スペイン語の歴史を深く掘り下げたもので、スペイン語を学ぶ上で歴史的背景を理解するのに役立ちます。

さらに、寺崎氏は『スペイン語の世界』や『クラウン西和辞典』『デイリーコンサイス西和・和西辞典』といった共編著にも携わり、スペイン語学習の環境整備にも貢献しました。『クラウン西和辞典』は、多くの学生や研究者によって利用されている代表的な西和辞典であり、その編纂に携わったことは、日本のスペイン語研究の発展に大きく寄与したと言えるでしょう。

2004年には、東京外国語大学教授退官を記念した『スペイン語学論集 寺崎英樹教授退官記念』が出版されています。これは、寺崎氏の研究業績をまとめたもので、その学問的貢献を広く知らしめるものとなりました。

これらの多大な貢献が評価され、2022年には瑞宝中綬章を受章されました。これは、日本の学術の発展に貢献した者に授与される栄誉ある勲章であり、寺崎氏のスペイン語学研究への長年の貢献を物語っています。

現在も、スペイン語学界の第一線で活躍し、後進の育成に尽力されている寺崎英樹氏の今後の活躍に、ますます期待が高まります。

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