寺田吉道

寺田吉道氏は、1965年（昭和40年）12月12日に岐阜県岐阜市で生まれた日本の運輸・国土交通官僚です。

岐阜県立岐阜高等学校を経て、1989年（平成元年）に東京大学法学部を卒業しました。大学卒業後、同年には運輸省（現在の国土交通省）に入省し、国家公務員としてのキャリアをスタートさせました。

運輸省及びその後の国土交通省では、多岐にわたる分野で重要なポストを歴任しました。初期のキャリアでは、航空行政に深く関わり、航空局管制保安部保安企画課長や同局交通管制部交通管制企画課長を務め、航空交通の安全管理やシステム企画に携わりました。また、観光分野では観光庁観光産業課長として、国内観光の振興や観光産業の発展に向けた政策立案に関わりました。省内では、国土交通省大臣官房広報課長として、省全体の活動や政策を広く国民に伝える役割も担いました。自動車交通の分野では、自動車局旅客課長として、旅客輸送サービスや公共交通に関する制度設計や政策推進に貢献しました。

さらに、国土交通省のキャリアの一環として、地方行政の経験も積んでいます。新潟県副知事を務めた期間があり、国の政策と地方の実情を結びつける重要な役割を果たしました。地方での経験を経て本省に戻った後も、要職を務めました。国土交通省大臣官房審議官（総合政策局、鉄道局、観光庁担当）として、省の根幹に関わる幅広い政策分野を横断的に担当しました。鉄道行政においては、鉄道局次長として、鉄道の安全・安定輸送や基盤整備に関わる重要課題に取り組みました。

近年のキャリアパスも非常に多忙かつ重要でした。2021年（令和3年）7月1日には、国土交通省大臣官房公共交通・物流政策審議官に就任しました。このポストでは、物流を取り巻く環境変化に対応するための重要な政策指針である「総合物流施策大綱」（2021年6月15日閣議決定）に掲げられた施策の推進に深く関与し、その実現に向けて尽力しました。

2022年（令和4年）6月27日付けで国土交通省を一度離れましたが、翌日の同年6月28日付けで、独立行政法人である鉄道建設・運輸施設整備支援機構の副理事長に就任しました。ここでは、日本の鉄道ネットワークや運輸施設の整備・強化を担う機構の運営において、その手腕を発揮しました。

その後、2023年（令和5年）7月4日には再び国土交通省に戻り、省の意思決定や組織運営の中枢を担う大臣官房長に就任しました。省内の各部署との連携強化や重要政策の調整役として、その中心的な役割を果たしました。

そして、2024年（令和6年）7月1日付けで、国土交通省の事務方トップの一角を占める国土交通審議官に就任しました。これは、国際的な視点を含めた幅広い国土交通政策全般の企画・立案や、内外関係機関との調整などを担当する極めて重要なポストであり、長年にわたる多様な分野での経験と実績が高く評価された結果といえます。

寺田吉道氏は、運輸省への入省以来、航空、観光、自動車、鉄道といった交通政策から、物流、地方行政、省の組織運営に至るまで、国土交通行政の多岐にわたる領域で重要な役割を担い、日本の社会基盤整備と国民生活の向上に長年貢献してきた官僚です。

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