寺田登

寺田 登（てらだ のぼる）

寺田登は、日本の水泳界に名を残す選手であり、1917年11月25日に静岡県磐田郡福島村中島（現在の磐田市福田中島）で生まれました。彼は慶應義塾大学に進学し、そこで本格的に水泳に取り組むようになりました。彼の競技人生の中で最も輝かしい瞬間は、1936年に開催されたベルリンオリンピックでのことです。この大会で彼は男子1500メートル自由形に出場し、見事に金メダルを手にしました。

経歴

寺田は静岡見付中（現在の静岡県立磐田南高等学校）から慶應義塾大学へと進学し、大学生活の中で水泳の技術を高めていきました。1936年のベルリンオリンピックでは、彼は特に注目されていた選手でしたが、選考会では当時強豪だった鵜藤俊平（立教大学）に敗北します。

本番では、彼は鵜藤のペースメーカーになるつもりで臨みましたが、レースが進むにつれて鵜藤が見えなくなる事態が発生。「1000メートルを過ぎても出てこないので、そのまま行った」という無心のままの泳ぎが、結果的に金メダル獲得につながりました。このように、彼の競技への姿勢と柔軟性が彼を栄光へ導いたのです。

引退後は、慶應義塾大学水泳部の監督などの職務に就き、後進の指導に貢献しました。彼は結婚後、伊藤姓を名乗り、1986年に68歳でこの世を去りました。

エピソード

寺田は、一般的な水泳選手とは異なる筋肉質でずんぐりした体形をしていました。これは特に彼の水泳スタイルに影響を与え、彼の競技における特異性を際立たせました。また、彼が水泳の世界に入ったきっかけとなったのは、小学校時代に急遽出場した水泳大会です。この大会では、人数が足りないといった理由での飛び入り出場でしたが、その結果、彼は見事に1位を獲得しました。この出来事が、彼が競泳の世界に進むきっかけとなったと言えるでしょう。

まとめ

寺田登は、彼の水泳キャリアを通じて湧き上がるエネルギーと無心の泳ぎで、日本の水泳界に大きな足跡を残しました。彼の挫折を経た上での見事な金メダル獲得や、ユニークなエピソードは、今なお多くの人々に語り継がれています。彼の業績と精神は、後世の選手たちにとっても大きな励みとなることでしょう。

もう一度検索