対数周期アンテナ

対数周期アンテナ（ログペリオディックアンテナ）

対数周期アンテナは、広範囲の周波数帯域に対応できるアンテナの一種で、その特性から「ログペリ」、「LP」、「LPDA」とも呼ばれます。このアンテナは、多数のエレメントを持ち、特定の方向に強い電波を放射する鋭い指向性を有しています。

特徴

広帯域性: 広い周波数範囲で使用できるのが大きな特徴です。
指向性: 特定の方向に電波を集中して放射できます。
多数のエレメント: 複数のエレメント（素子）で構成されています。
インピーダンスと放射特性: 励起周波数の対数関数に応じて、インピーダンスと放射特性が規則的に変化します。

構造と原理

対数周期アンテナは、八木・宇田アンテナと似た外見を持つこともありますが、その動作原理は根本的に異なります。対数周期アンテナでは、隣り合うエレメント同士が逆位相で給電される「交差給電」方式が採用されています。この交差給電は、自己補対アンテナの折りたたみ変形によって自然に得られるものです。

エレメントの長さと間隔は、対数関数的に増加するように設計されています。この構造により、広帯域での動作が可能になります。

自己補対アンテナとの関係

対数周期アンテナは、自己補対アンテナに変形近似を加えた「変形近似自己補対アンテナ」の一種とみなされています。この点が、広帯域特性の源泉となっています。

注意点

IEEEの標準辞典では、対数周期アンテナはインピーダンスと放射特性が対数周期的に変化するアンテナと定義されており、ブロードバンドアンテナとは区別されています。用語の誤用による混乱を避けるために、注意が必要です。

関連用語

ダイポールアンテナ: 基本的なアンテナの形態の一つ。
八木・宇田アンテナ: 指向性を持つアンテナの一種。
自己補対アンテナ: 特定の構造を持つアンテナ。
変形近似自己補対アンテナ: 自己補対アンテナを変形させたアンテナ。

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