対馬市立久原小学校・中学校

対馬市立久原小学校・中学校の概要

対馬市立久原小学校・中学校は、長崎県対馬市上県町に位置していた小中併設校です。この学校は、1874年に設立された「鹿見学校」をルーツに持ち、2010年には中学校が、2012年には小学校が閉校しました。地域教育において長きにわたり重要な役割を果たしてきた歴史があります。

校の沿革

久原学校の歴史は、1874年に「鹿見学校」として始まります。設立当初から士族の大束五七郎が教授となり、地域に教育の灯火を灯しました。その後、学校は数度の名称変更を経て、1889年には「仁田学区簡易久原小学校」、1891年には「仁田学区尋常久原小学校」とされます。これらの変遷は、地域の教育ニーズに応じたものでした。

1900年には校舎が完成し、1906年からは高等科を併設して「久原尋常高等小学校」となります。しかし、1908年には高等科が廃止され、再び「久原尋常小学校」に戻ります。1921年には新しい校舎が建築され、1924年においては高等科が再度併置されたことで、学校の教育内容が充実しました。

1941年には国民学校令により「仁田村立久原国民学校」と改称され、戦後の1947年には学制改革が行われ、初等科と高等科が分かれ、学校は2つの機関として新たなスタートを切りました。1955年の市町村合併により名称が「上県町立久原小学校・中学校」に変更され、その後も施設の充実が図られました。

1970年には完全給食が始まり、1974年には校歌が制定されました。この校歌は小中学校共通のものであり、生徒たちの誇りの象徴となっています。1978年には新しい校舎が完成し、1981年には校門が設置され、近代的な学校へと変貌を遂げました。

2004年に市町村合併が行われ、最終的に「対馬市立久原小学校・中学校」という名称が付けられました。2008年には中学校が複式・単式の2学級となり、一時的に存続しましたが、2010年に中学校が閉校され、対馬市立西部中学校に統合されました。そして、2012年には小学校も閉校し、対馬市立西小学校に統合されるという運命をたどります。

校章と校歌

久原校の校章は、小学校と中学校共通であり、柏の葉を背景に校名の「久」の字をあしらったデザインとなっていました。校歌は原田源が作詞、中条粂子が作曲を手掛け、3番までの歌詞はそれぞれ「久原校」の名で締めくくられています。この校歌は生徒にとっての思い出のひとつであり、学校の精神を象徴するものでした。

交通アクセス

久原小学校・中学校へのアクセスは、対馬交通の鹿見線「久原」バス停が最寄りであり、長崎県道189号鹿見港線が近くを通るため、地域からの交通利便性も確保されていました。

結論

久原小学校・中学校は、地域の教育の歴史を背負い、多くの生徒に知識や経験を提供してきました。閉校という最終的な運命を迎えましたが、その名は今後も地域の記憶に残り続けるでしょう。

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