寿司桶

寿司桶とは、寿司を盛り付けるために用いられる桶のことです。寿司の出前などで見かけることが多いですが、寿司店や家庭で酢飯を調理する際にも使用されます。この用途で使用する際には、飯台（はんだい）や飯切（半切、はんぎり）と呼ばれることもあります。また、調理したちらし寿司などを盛り付けて提供する際にも用いられます。

提供する料理に使う寿司桶

出前などに使われる寿司桶は、以前は漆器が主流でしたが、最近では軽くて安価な樹脂製のものが多く使われています。これらの寿司桶は、平べったく高さが低いのが特徴です。円筒形であるため、寿司を入れたまま積み重ねることができ、陶磁器の皿に比べて輸送効率が良いというメリットがあります。出前で使用された寿司桶は、食後に玄関などに置いておくと、出前元の店が回収に来るのが一般的です。

酢飯を作り、入れ置くための寿司桶

酢飯を作る際に使用する寿司桶は、飯櫃（めしびつ）とも呼ばれ、木製が一般的です。桶の周りには、箍（たが）と呼ばれる金属製の細い板が2本、横方向に巻かれて固定されています。最近では樹脂製の寿司桶も見られますが、木製の桶には酢飯の水分を吸ったり放出したりすることで、最適な状態に保つという重要な役割があります。そのため、本来の味にこだわる職人は、ほとんどの場合、木製の寿司桶を使用します。木製の寿司桶は水分を吸収しやすいため、使用後はしっかりと乾燥させないとカビが生える可能性があります。洗浄する際は、洗剤を使用する前に水に十分浸けておくことが重要です。そうしないと、木が洗剤を吸い込んでしまう可能性があります。作り上げた酢飯を入れ置く際には、桶と同じ作りの木のふたや布巾を使用します。

寿司桶は、単なる容器ではなく、寿司の味や品質を保つための重要な道具です。素材や形状によって、それぞれの役割を担っており、寿司文化を支える上で欠かせない存在と言えるでしょう。

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