専修大学本源氏物語系図

専修大学本源氏物語系図

専修大学本源氏物語系図（せんしゅうだいがくほんげんじものがたりけいず）は、源氏物語に基づく古系図の一つであり、現在は専修大学図書館にて保管されています。この系図は、阿波国徳島藩主である蜂須賀家がかつて所有していたもので、藤原家隆という当時の歌人が筆を執ったとされています。そのため、「伝藤原家隆筆古系図」とも呼ばれることがあります。

この系図は鎌倉時代に書写されたもので、比較的古い部類に入ります。形態は巻子本一軸で、二重の桐箱に収められ、蓋には「源氏系図 藤原家隆筆」と記されています。料紙や装幀の美術的価値も高く評価されています。

構成と記述内容

本系図には前付や後付がなく、巻名目録や源氏物語の起源に関する記録も含まれていません。唯一の内容は系譜部分または系譜が不明な人物を列挙した「不入系譜」と呼ばれる部分のみとなります。系図の中では213人の人物が記載されており、この人物数は多くの古系図と比較しても相当なものです。

系譜部分と「不入系譜」の人物数を合計すると、専修大学本は古系図の中でも最大のものであると考えられています。

類似する伝本と比較

他の系図と比較すると、専修大学本では正嘉本古系図が最も近いことが確認されています。その後に東京大学蔵本、日本大学蔵本、巨細本や実秋本など、様々な古系図と比較されており、系譜に収集されている人物が213人であることは、正嘉本が収録する210人から214人に迫る数字です。このことから、専修大学本は増補本系統の代表的な伝本である為氏本よりも内容が豊富であり、非常に重要な資料であることがわかります。

特徴的な記述

本古系図には、特に注目すべき記述があります。例えば、「不審」とか「僻事」といった言葉を用いて、記述の中に疑問を呈した箇所が9回存在し、その多くが正嘉本と共通しています。これにより、系図の信頼性や解釈に対する興味深い視点が提供されています。

また、系図には「源三位」とその子供に関する記述も含まれていますが、そこに「流布本無し」と記載されています。これが何を意味するのか、解釈の余地があり、さらなる研究が必要とされています。

巣守巻との関連

本系図は、巣守巻に関する記述も含んでいますが、この点においても正嘉本と最も近い内容を持つことが確認されています。特に、巣守に関連する情報が系譜部分に見当たらない一方で、巣守巻に触れている他の古系図も存在するため、これらとの関連が注目されています。

最後に

専修大学本源氏物語系図は、文学的価値のみならず、歴史的価値も持つ重要な資料です。その内容や文体、記述方法から、源氏物語の理解を深めるための鍵を提供しています。今後の研究や調査が期待される分野でもあります。

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