専用球場

専用球場について

専用球場（せんようきゅうじょう）は、日本のプロ野球チームが公式戦を行うために必須とされる野球場です。これは日本野球機構によって管轄されており、具体的にも日本プロフェッショナル野球協約に基づいて設けられています。一般的には「本拠地」や「ホームスタジアム」とも呼ばれ、この名称の重要性と役割について詳しく見ていきましょう。

専用球場の義務と地域

すべてのプロ野球チームは、特定の保護地域（通常は都道府県単位）を持ち、その地域内で公式戦、例えば年度連盟選手権試合、日本シリーズ、そしてオールスターゲームを開催するための専用球場を所有しなければなりません。この規定を遵守しない場合、プロ野球リーグへの参加資格を失う危険があります。具体的には、プロ野球協約第29条および第30条において、保護地域内での公式戦の実施が求められています。

試合数の規定

また、専用球場において主催する公式戦の試合数についても規定があります。プロ野球チームは、保護地域内の1つの専用球場でホームゲームの50%以上を行う必要があります。ただし、特別な場合には実行委員会の承認を得ることで、この数を変更することも可能です。こうした規制は、地域のファンに対するサービスや地元の活性化を目的としたものとなっています。

本拠地球場とフランチャイズ

「本拠地球場」という用語は専用球場とほぼ同意義ですが、フランチャイズ（保護地域）との混同も見られます。また、各球団には「準本拠地」という概念も存在しますが、これは公式には地方開催と同じ扱いとなっています。これらの用語はプロ野球の運営における独特の文化を反映しています。

専用球場の多様性

専用球場という名称に反して、これらの野球場がプロ野球だけを目的にしているわけではありません。高校野球や学生野球など、地域に根差した様々なイベントが開催されることもあります。たとえば、甲子園球場では全国高校野球選手権が行われる一方、神宮球場では学生野球が開催されています。特に、東京ドームや京セラドーム大阪などでは、プロ野球の日程にアマチュア大会への配慮を含む日程が組まれることが一般的です。

他球団の試合開催

また、専用球場の本拠地となる球団がホームゲームを行う一方で、その地域に合意があれば他の球団が試合を行うことも許されています。例えば、東京ドームでは元々本拠地として活動していた日本ハムが現在も継続して一部のホームゲームを開催していますし、京セラドーム大阪では巨人、阪神、ソフトバンクなどが毎年ホームゲームを実施しています。さらに、2021年には東京オリンピックの影響で、ヤクルトとDeNAが一部のホームゲームを神宮球場および東京ドームで行いました。

日本シリーズとオールスターゲームの開催

プロ野球に参加する球団は、日本シリーズやオールスターゲームの開催に際して専用球場を確保する責任がありますが、同時に日本シリーズを主催する日本野球機構には、各球団の専用球場以外での開催権があります。過去には、キャパシティ不足などの理由により、他の球場で試合が開催された際がありました。これにより、オールスターゲームを地域に根付かせる努力が継続され、1992年以降、地方球場での開催が増加しています。

結論

このように、専用球場はプロ野球の運営において極めて重要な役割を果たしており、地域のファンとの絆を深めるための施策が数多く盛り込まれています。球団にとっては、これらの球場を通じて地域社会と良好な関係を築くことが、名実ともにその存在意義を高めることに繋がっているのです。

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