小さな手紙

「小さな手紙」（ちいさなてがみ）は、日本の男性歌手である橋幸夫、舟木一夫、西郷輝彦の三名が、「御三家（G3K）」という期間限定ユニット名義で発表したシングル、およびそのタイトル曲です。この楽曲は2000年8月23日にリリースされました。

「御三家（G3K）」の活動とその始まり

橋幸夫、舟木一夫、西郷輝彦は、それぞれが日本の歌謡界を代表する存在として知られています。2000年6月1日、彼らは「御三家」の名称を冠した期間限定ユニット「G3K」を結成することを発表しました。このユニットは2001年12月31日までの期間で活動を予定しており、発表同年10月からは全国規模でのツアーも計画されていました。「小さな手紙」は、この新生「御三家（G3K）」にとって初めてのオリジナル楽曲として制作されました。

楽曲情報とメディア展開

「小さな手紙」の歌詞は白峰美津子が手がけ、作曲は松本俊明が担当しました。温かいメッセージが込められたこの楽曲は、2000年8月から9月にかけてNHKのテレビ番組『みんなのうた』で放送され、幅広い世代に届けられました。

特徴的なシングルリリース形態

このシングルの発売形態には非常にユニークな点があります。2000年8月23日のリリース時には、ビクターエンタテインメント（規格品番：VIDL-30507）、日本コロムビア（規格品番：CODA-1898）、日本クラウン（規格品番：CRDN-697）という三つのレコード会社から、同時に、かつ異なる内容で発売された「競作盤」という形がとられました。これは、各歌手がそれぞれ異なるレーベルに所属していたため、共通の楽曲でありながら、個々の所属レーベルからシングルをリリースするという当時の慣例に沿った結果です。記録としては、橋幸夫にとって168枚目、舟木一夫にとって109枚目、西郷輝彦にとって88枚目のシングル作品に数えられます。

収録曲の構成

三社から発売されたシングルは、それぞれ共通のトラックリストを持ちながらも、収録されている音源の一部が異なっています。基本的な構成は以下の3トラックでした。

1. 小さな手紙：御三家（G3K）として三人全員が歌唱するバージョン。
2. 小さな手紙（ソロバージョン）：このトラックの内容が各社で異なります。ビクターエンタテインメント盤には橋幸夫のソロ歌唱版が、日本コロムビア盤には舟木一夫のソロ歌唱版が、そして日本クラウン盤には西郷輝彦のソロ歌唱版が収録されました。これにより、ファンはそれぞれの歌手の個性的な歌声で楽曲を楽しむことができました。
3. 小さな手紙（カラオケ）：歌唱練習などに使用できるインストゥルメンタルバージョンです。

アルバムへの収録

「小さな手紙」は、シングルの発売後、様々なアルバムに収録されています。御三家（G3K）による歌唱バージョンは、『NHK みんなのうた 50 アニバーサリー・ベスト 〜おしりかじり虫〜』（2011年4月27日発売）のような『みんなのうた』関連のコンピレーションアルバムに収められています。また、各ソロバージョンも、それぞれの歌手のベストアルバムや全曲集に収録される機会がありました。例えば、橋幸夫のソロ版は『橋幸夫が選んだ橋幸夫ベスト40曲』（2000年10月4日）、舟木一夫のソロ版は『舟木一夫全曲集2000〜小さな手紙』（2000年9月1日）や『NHK みんなのうた 小さな手紙』（2000年11月18日）、西郷輝彦のソロ版は『西郷輝彦全曲集〜星のフラメンコ/君だけを』（2005年7月21日）といったアルバムに含まれています。

このように、「小さな手紙」は、日本の歌謡界を彩ってきた三人のレジェンドが期間限定で集結した記念碑的な楽曲であり、特殊なシングルリリース形態や『みんなのうた』での放送を通じて、多くの人々の記憶に残る作品となりました。

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