小二田誠二

小二田誠二：近世文学研究の第一人者

小二田誠二氏（1961年-）は、日本の近世文学、とりわけ江戸時代の文化を専門とする日本文学研究者です。現在、静岡大学人文社会科学部言語文化学科教授として、後進の育成と研究活動に尽力されています。

学究の道

千葉県出身の小二田氏は、埼玉大学教養学部日本文化コースを卒業後、学習院大学大学院人文科学研究科に進学。博士前期課程を修了し、博士後期課程では単位取得の上で退学されています。その後、静岡大学人文学部専任講師を経て、1993年には助教授に昇任。現在に至るまで静岡大学で教鞭をとり、日本の近世文学研究を牽引する存在となっています。

研究テーマと業績

小二田氏の研究は、江戸時代の文学作品や文化を多角的に考察することに重点が置かれています。特に、歴史とフィクションの境界、事実と表現の関係性といった問題意識に基づいた研究が多く見られます。

主な研究テーマ

江戸時代の小説、戯作、軍記物語などのジャンル研究
江戸時代のジャーナリズム、情報伝達、出版文化
歴史と文学の関係性、事実と虚構の交錯
近世文学におけるリアリティの表現

主な著書

小二田氏は、『駿府・静岡の芸能文化』（全3巻）を上利博規氏との共著で出版しています。このシリーズでは、静岡地域の芸能文化を詳細に調査、分析し、地域文化の研究に貢献しています。

主な論文

小二田氏は、数多くの論文を発表しており、『日本文学』『国文学』『江戸文学』『地域研究』といった専門誌に掲載されています。その内容は多岐に渡り、以下のようなテーマが挙げられます。

『おくのほそ道』の物語性
戊辰戦争期の新聞報道と小説
江戸戯作における連載の試み
『東山新聞』の分析
江戸・明治期のニュース言語
実録小説の研究
根本仏教説話のリアリティ
地蔵譚における歴史・伝説・実録・小説の比較検討
怪談もの実録の位相
江戸軍談と実録類
平井権八伝説と実録・読本
膏薬奴の敵討を題材とした小説
南北作品論
録体小説の人物像
* 実録体小説の生成と原像

これらの研究は、近世文学の多様な側面を深く掘り下げており、日本の文学史研究に多大な貢献を果たしています。

教員としての活動

静岡大学での教員活動においても、小二田氏は後進の育成に尽力されています。大学における講義やゼミを通して、多くの学生たちに近世文学の魅力を伝え、研究者の育成にも貢献しています。

まとめ

小二田誠二氏は、その豊富な知識と鋭い洞察力によって、日本の近世文学研究に多大な貢献をしています。今後も、その研究活動に注目が集まることは間違いありません。彼の研究成果は、私たちに江戸時代の文化や社会、そして文学の奥深さを理解する上で、貴重な示唆を与えてくれるでしょう。

もう一度検索